2002 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍性疾患の客観的画像診断及び治療効果判定のための定量的画像診断法の構築
Project/Area Number |
14770457
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
久保 均 徳島大学, 医学部, 助手 (00325292)
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Keywords | MRI / 定量化 / 超常磁性体造影剤 |
Research Abstract |
背景:腫瘍性病変の診断及び治療経過の評価にMRI検査は有効な手法の一つであるが、現状における一般的手法では定性評価しかできずに定量評価が困難である。 目的:腫瘍性疾患の客観的画像診断を可能とするための定量的画像の作成法及び解析手法の開発を行い、コンピュータ支援診断技術を応用することにより、客観的画像診断を可能とする。 方法:(1)MR画像の定量化を行うために必要なファントムを作成する。これは人体頭部をモデルとし、どのようなMRI装置においても使用可能な構造とする。(2)MRI用超常磁性体造影剤を用いたMR画像の緩和時間を用いた定量化手法を検討する。 結果:(1)10%ゼラチン溶液にCuSO_4,Na_2CO_3およびNaN_3を加えることにより、人脳に近い緩和時間(T1=350ms.,T2=160ms.)を持ったファントムを作成することができた。(2)超常磁性体造影剤の濃度を変化させたファントムにおいて緩和時間を測定した結果、T1では造影剤濃度1.5mM、T2では0.5mMまでしか測定できなかった。しかし、T2^*では2mMまでの濃度を測定でき、高濃度成分を含んだ画像を定量化する際には定量化因子としてT2^*を用いることが有効であることがわかった。また、T2^*と造影剤濃度の関係を表す近似曲線は造影剤濃度0.6mMを境界として2種類の式で表すほうが相関が高くなることもわかった。 考察:CuSO4を用いることにより、人脳と同様とまでは行かないまでも近い緩和時間をもつファントムを作ることが可能であった。また、超常磁性体造影剤を用いた緩和時間による定量は、T2^*を用いた方がより高濃度まで精度良い定量が可能と考えられた。今後は、これらの結果を基に、定量診断のプログラムを構築していく予定である。
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