2003 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍性疾患の客観的画像診断及び治療効果判定のための定量的画像診断法の構築
Project/Area Number |
14770457
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
久保 均 徳島大学, 医学部, 助手 (00325292)
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Keywords | MRI / 定量評価 / 造影剤 / 緩和時間 |
Research Abstract |
背景:近年の脳腫瘍性疾患の治療においては,より小領域の治療が可能となってきている.そのため,術後の経過観察はより頻度を増し重要となってきた.従来行われてきたX線CTあるいはMRIによる造影検査では,主治医の経験則からの主観的判断によるしかなかった.この経過観察に定量解析手法を応用することにより,経過の客観的観察が可能となり精度向上が期待される. 目的:脳腫瘍性病変の術後経過における,より客観的な定量評価法の構築を試みる. 方法:MR装置はGE社製Signa Horizon 1.5Tを用いた.造影剤は超常磁性酸化鉄粒子製剤であるレゾビスト(日本シェーリング)を使用した.緩和時間を調整した10%ゼラチン溶液で0〜2mMの濃度となるようなファントムを作成し,FSPGR法を用いて2種類のTEによる撮像を行いT_2^*値を算出した.また,T_2^*画像作成手法を構築し,その性能を評価した. 結果:超常磁性酸化鉄粒子製剤は,濃度の増加によりT_2^*値が短縮する効果を示した.しかし,濃度が2mMを越えると信号を得ることができず,T_2^*値の算出は不可能であった.濃度とT_2^*値は0.6mMを境界としたdouble exponentialな関係(r>0.96)があり,T_2^*値による造影剤濃度の精度良い定量評価が可能であった. 考察:超常磁性体造影剤の濃度とT_2^*値には非常に良好な相関関係があり,濃度2mMまでの定量測定が可能であった.また,T_2^*定量画像を迅速に作成する手法を確立し,臨床における画像の定量評価を日常的に施行できる体制を整えることができた. 結論:超常磁性体造影剤を用いた脳腫瘍性疾患の客観的定量評価を行うための基礎的検討を行い、その手法を開発した.
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