2003 Fiscal Year Annual Research Report
FDG-PETとセンチネルリンパシンチによる乳癌縮小手術適応判定に関する研究
Project/Area Number |
14770459
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古賀 博文 九州大学, 大学病院, 助手 (90343318)
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Keywords | 乳癌 / センチネルリンパシンチ / ポジトロンCT |
Research Abstract |
1.本年度は乳癌患者のリンパ節転移の診断について、センチネルリンパシンチによるリンパ節生検の結果とFDG-PETの結果を比較検討した。 2.本年度検討を行った対象は、臨床的にリンパ節転移を認めない乳癌患者で女性17名(37-77才、平均54.2才)の18側(1名は両側乳癌であった)である。病期分類はT1:8例、T2:10例であった。全例、事前に研究目的を十分に説明した上で文書による同意を得た。 3.センチネルリンパシンチは、昨年度の検討にて最も優れた結果が得られた放射性医薬品は^<99m>Tc-フチン酸を用い、投与方法は乳輪下投与によって行った。FDG-PETは術前に施行し、結果は視覚的に3名の核医学診断医の合議にて決定した。 4.センチネルリンパシンチでは18件中18件にてセンチネルリンパ節を同定できた。これに基づいてリンパ節生検を施行し、病理学的な転移陽性は6件、転移陰性は12件であった。 5.FDG-PETでは転移陽性の6件中1件が陽性、転移陰性の12件すべてが陰性であった。その結果FDG-PETは、感度17%、特異度100%、正診率72%、陽性的中率100%、陰性的中率71%であった。 6.以上の本年度の検討結果より、FDG-PETは臨床的に転移陰性と判断された微小なリンパ節転移の検出には不十分な可能性があり、リンパ節転移診断にはセンチネルリンパ節生検の省略はできないことが示唆された。 7.次年度は、更に症例数を増やした検討を行う予定である。
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