2002 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギーX線を用いた定位放射線治療における線量評価の標準化および治療効果
Project/Area Number |
14770465
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University of Health Sciences |
Principal Investigator |
大谷 浩樹 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 講師 (10259145)
|
Keywords | 放射線治療 / 定位放射線照射 / 電子平衡 / 小照射野 / 電離箱線量計 / 散乱補正係数 / ステム効果 / 直線加速器 |
Research Abstract |
直線加速装置を用いた定位放射線照射では、小照射野における側方の電子平衡を考慮しなければならない。その線量測定には、検出器の大きさによる測定精度などの問題が残されている。現在、小照射野の線量測定は、基準電離箱を軸方向(電離箱の柄の部分が線束と平行)に設置して行われている。しかし、この方法ではステム効果や実効電離中心などの問題がある。6MVX線を用い、測定は小容積の平行平板電離箱を水中に設置して行った。この平行平板電離箱は軸方向にて使用し、実効電離中心は表面の内側となる。この設置ではケーブルが照射野内になるため、ケーブルの効果を考慮しなければならない。そこで我々は、電離箱のステム効果について研究を行った。その結果、線量評価において、ケーブルの長さによるステム効果の影響はほとんど現れなかった。 また、定位放射線照射は、従来の放射線治療方法と比較して小病巣に正確に適正な線量を照射しなければならないため、線量の決定および測定、治療計画が重要である。しかし、小照射野の線量測定には様々な問題が残され、照射野と検出器の大きさの関係が測定精度に影響を与えている。本研究において、異なる容量の二種類の指頭型電離箱を用いて、コリメータ散乱補正係数(Sc)と全散乱補正係数(St)を測定しファントム散乱補正係数(Sp)を求めた。特にScの測定時に使用するビルドアップキャップについては、材質とサイズによる検討を加えた。その結果、使用する検出器のサイズが、照射野との大きさとの関係により電子平衡不成立領域の線量測定に影響することが確認された。今後は、より詳細に照射野と検出器の関係を電子平衡の観点から研究する必要があり、また、様々な深さにおいて各散乱補正係数を測定することによって、電子平衡領域の検討をすることの重要性を示唆した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] H.Ohtani, T.Irifune, M.Tsuda, et al.: "Stem effect of a small volume parallel-plate ionization chamber in the axis direction"The Journal of Tokyo Academy of Health Sciences. Vol.5 No.1. 31-34 (2002)
-
[Publications] H.Ohtani, T.Irifune, H.Saitoh, et al.: "Measurement of Scatter Correction Factor in High-Energy X-ray beams"12^<th> ISRRT World Congress : Book of Abstracts. 43 (2002)
-
[Publications] H.Ohtani, E.Kunieda, H.Saitoh, et al.: "Landmarks in the skull for stereotactic radiotherapy"Proceedings of the Third Korea-Japan Joint Meeting on Medical Physics. 144-145 (2002)
-
[Publications] 奥 洋平, 大谷浩樹: "小容積指頭形電離箱を用いた吸収線量の測定"東京保健科学学会第8回学術集会抄録集. 34 (2002)
-
[Publications] Y.Yamazaki, H.Ohtani, J.Fukuoka, et al.: "The base point in the skull for Stereotactic Radiotherapy, Vol.2"12^<th> ISRRT World Congress : Book of Abstracts. 42 (2002)
-
[Publications] J.Fukuoka, H.Ohtani, Y.Yamazaki, et al.: "Dose distribution of molti-shot method for stereotactic irradiation"12^<th> ISRRT World Congress : Book of Abstracts. 43 (2002)