2003 Fiscal Year Annual Research Report
虚血心筋及び心筋症におけるアポトーシス検出生態イメージングに関する研究
Project/Area Number |
14770478
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
百瀬 満 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40312029)
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Keywords | Tc99m tetrofosmin / 摘出灌流心 / ランゲンドルフ |
Research Abstract |
虚血心におけるアポトーシスイメージング法に先立ち、基礎的検討として、虚血心における心筋トレーサ動態をTc99m tetrofosmin (TF)を用いて検討した。対象と方法)正常ラット(male Wister rat)250-350gをペントバルビタールにより静脈麻酔後、心臓を摘出し直ちに灌流心装置に装着した。TF 1mCi/Lを舎むKrebs-Henseleit (K-H)バッファーにより灌流速度10mL/minで以下の3つのモデルを作成してTFの動態を調べた。(1)非虚血群(2)15分灌流停止虚血後再灌流群(3)30分灌流停止虚血後再灌流群。また、血流測定値のスタンダードとしてTc99m MAAを用いて同様に心筋灌流をそれぞれの灌流心で測定してTFで得られた値と比較した。心臓へのTFの集積はγ線外部検出器により測定した。データは時間集積曲線をグラフ解析ソフトを用いてk_1(perfusion rate), k_2(clearance rate), k_<MAA>(MAAで得られたperfusion rate)を算出した。結果)k_1はそれぞれのグループで20±0.41,0.97±0.58,0.51±0.25mL/min。虚血時間が長いほど灌流係数は低下した(p<0.001)。k_2はそれぞれ、0.0056±0.0022,0.0037±0.0015,0.016±0.011min^<-1>。15分虚血まではclearanceは非虚血群と不変だが、30分虚血では有意にclearanceが亢進した。また、k_<MAA>はそれぞれのグループで9.75±0.47,4.95±1.86,3.26±1.61mL/minで、これらは真の心筋血流と考えられ、TFの心筋への集積する割合(extraction fraction : EF)はいずれのグループとも約20%で有意な差がなかった。考察と結論)TFはその投与当たりの集積率は低いが、心筋灌流に比例して集積し、高度虚血ではそのクリアランスが亢進する。Tc99m MIBIでも同様の現象が報告され、アポトーシスを示唆する所見と推察されている。TFにおいても高度虚血によるクリアランス亢進がアポトーシスを表現するものかを今後の研究で明らかにする必要がある。
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