2003 Fiscal Year Annual Research Report
末梢発生肺腺癌におけるCT画像上のスピクレーションと組織学的血管リモデリング
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14770480
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
梶原 景子 日本医科大学, 医学部, 助手 (10343592)
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Keywords | 原発性肺腺癌 / CT画像 / 胸部レントゲン写真 / 組織学的腺癌分類 / 早期腺癌組織像 / 野口分類 / CT濃度勾配 / CT画像分類 |
Research Abstract |
原発性肺腺癌はしばしば胸膜下に孤立性に出現しCT画像でスリガラス状結節陰影として認められる。ときに中心領域に濃度の高い病変を有するため"目玉焼き様病変"として描出される。これらCT画像上の特徴を詳細に検索し病理組織診断との関連性を検討した。検索した症例は合計14患者であり全員術後5年以上生存中である。それらの術前CT画像のうち、しばしば出現する胸膜陥入や線状スピクラ形成の出現数を病理組織像と比較検討した。CT画像と組織像との関連の有意を知るため、CTの特徴的所見に次のようなpointを設定した。すなわち結節の長径:point1≦25mm;25<point2≦30;point3>30、濃度勾配形状:point1単一急峻型;point2急峻カルデラ型;point3平坦カルデラ型、CT濃度上限値:point1≦-400;-400<point2<0;point3≧0,中心部高濃度領域の結節全体に対する面積比:point1≦0.1;0.1<point2≦0.2;point3>0.2としCT像の合計ポイントを組織診断(野口分類)と対比した結果,point≦6は分類A、point≧11は分類Cに相当した。とくにpoint4の症例はすべて分類Aで11以上は分類Cに匹敵した。5<point<10の3症例はそれぞれA, BないしCに分類されたが組織学的には混合境界型に相当した。結節長径25mm未満では中心部高濃度病変を欠くか全結節に対する面積比≦0.1で濃度勾配形状は単一急峻型、CT上限値≦-400であった。組織学的観察との対比から腺癌が肺胞壁に沿って浸潤増大する過程で中心部に瘢痕病巣が出現拡大して平坦カルデラ型に移行するとみなせた。今回採用したCT画像の分析基準により組織学的分類を十分に推測しうるといえる。これらの症例分析を追加することで画像から組織分類を判定できる方法を見出せるものと信じられる。
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Research Products
(1 results)