2002 Fiscal Year Annual Research Report
生体肝移植患者の移植術による精神状態ならびにQOLの変化に関する研究
Project/Area Number |
14770498
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野間 俊一 京都大学, 医学研究科, 助手 (40314190)
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Keywords | 生体肝移植 / レシピエント / ドナー / 精神状態 / 不安 / 抑うつ / QOL |
Research Abstract |
生体肝移植術予定の成人レシピエントおよびドナーに対して、移植術直前に面接および心理検査(STAI-S, STAI-T, BDI, WHO-QOL, Baum Test)を施行し、精神状態の評価を行っている。平成14年度には、のべ約100名のデータを収集した。そのうち、レシピエントとドナーの組でデータが得られたものが約35件ある。 STAI-S, STAI-T, BDIの点数の平均値は、レシピエントでそれぞれ38.9,41.5,11.2、ドナーでそれぞれ41.9,40.5,5.0という結果となり、状態不安と特性不安では差が認められなかったが、抑うつの点数はレシピエントの方が高かった。また、それぞれの検査によって不安状態(状態不安・特性不安)、うつ状態と認められた患者は、レシピエントで31.3%,40.0%,42.9%、ドナーで33.3%,31.0%,14.6%だった。 アメリカでの脳死肝移植待機患者の研究結果(STAI-S, STAI-T, BDIの平均がそれぞれ41.3,35.2,12.8)との比較では、生体移植レシピエントは不安・抑うつともに脳死移植レシピエントと大きな差は認められず、生体移植ドナーは不安が同程度で抑うつのみ低い結果が得られた。 今後、レシピエントとドナーの組でのデータが50件となった段階で、データの整理を行っていく。
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