2002 Fiscal Year Annual Research Report
多発性骨髄腫における血管新生増殖因子産生を標的とした新しい治療法の開発
Project/Area Number |
14770537
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
佐藤 範英 杏林大学, 医学部, 助手 (70327659)
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Keywords | 多発性骨髄腫 / 腫瘍血管新生 / ウイルスベクター / NOD / SCID / 血管新生増殖因子 |
Research Abstract |
日本人より樹立された多発性骨髄腫細胞株9種を入手し、NOD/SCIDマウスの皮下にそれらの細胞株を接種したところ、すべての細胞株に造腫瘍性を認め、さらに内4種は通常のSCIDマウスにも造腫瘍性を呈した。このシステムは、腫瘍血管を含む骨髄腫腫瘍組織のin vivoモデルとして、また、腫瘍血管新生をターゲットとする骨髄腫の治療開発のモデルとして非常に有用である。また、これらの細胞株の血管新生増殖因子産生について、RT-PCR、培〓上清のサイトカイン濃度測定等で発現検索を行ったところ、その多くに、血管新生を促進するFGF, VEGF, HGFおよびその受容体が高頻度に発現していることが判明した。このことは、血管新生増殖因子およびその受容体を介したautocrine, paracrineメカニズムが、骨髄腫細胞の増殖に重要な役割を担っている可能性を示唆している。そこで、我々はFGF, VEGF, HGFを標的とした新しい骨髄腫の治療法の開発を現在進めているところである。具体的には、FGF、VEGF可溶性受容体発現ウイルスベクター、HGFantagonistであるNK4を各細胞株に作用させ、in vitroで細胞株の増殖抑制傾向を見い出している。今後は、これらの知見をもとに、骨髄腫マウスモデルに対してFGF、VEGF可溶性受容体発現アデノウィルスベクターを投与し、in vivoでの抗腫瘍効果、抗血管新生効果を検索して行く。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 佐藤範英: "多発性骨髄腫と血管新生"血管医学. 3(6). 31-38 (2002)
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[Publications] Kakimoto T: "Thalidomide for the Treatment of Refractory Multiple Myeloma : Association of Plasma Concentrations of Thalidomide and Angiogenic Growth Factors with Clinical Outcome"Jpn J Cancer Res. 93(9). 1029-1036 (2002)
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[Publications] Norihide Sato: "Elevated level of plasma basic fibroblast growth factor in multiple myeloma correlates with increased disease activity"Jpn J Cancer Res. 93. 459-466 (2002)