2002 Fiscal Year Annual Research Report
白血病における新規の補助刺激分子B7-H1、B7-H2、B7-H3の発現と機能
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14770542
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
田村 秀人 日本医科大学, 医学部, 助手 (70256949)
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Keywords | 補助刺激分子 / B7 family / 白血病 |
Research Abstract |
多種白血病細胞株(Jurkat,K562,KG-1,BALL-1,K051,SAS413,KML-1,U937,KU812,HL60,OIH-1,Dami)のB7-H1、B7-H2のmRNAの発現をRT-PCR法で、また細胞表面上の蛋白発現をモノクロナール抗体を用いたフローサイトメーターで観察した。B7-H1はK562で、B7-H2はJurkatでその発現が欠如していたが、B7-H1はJurkat、Damiで、B7-H2はK562、OIH-1で強発現がみられ、その他の細胞株では中等度から軽度の発現が認められた。 AML患者52(MO;1,M1;11,M2;14,M3;7,M4;9,M5;8,M6;2)症例の白血病細胞上の補助刺激分子の発現を観察したところ、B7-1およびB7-H1の発現はほぼ全症例で認めず、B7-H2は8症例(15.4%)、B7-2は22症例(43.1%)で陽性であった。B7-H2はM1、M4、M5の一部およびM6症例に、B7-2はM1、M2、M4の一部およびM5のほぼ全症例に発現が認められた。また、これら補助刺激分子の発現と予後との関連を検討したところ、B7-H2、あるいはB7-2陽性症例では陰性症例と比較して有意に生存期間が短かった(p=0.0301,0.0062)。また、これらB7-H2およびB7-2分子の発現がともに陰性の症例では、他の症例に比べ有意に予後良好であった(p=0.0391)。 現在、白血病細胞上に発現するこれらB7分子がT細胞にどのような影響を及ぼしているのか、in vitro、in vivoで解析中である。また、今後、B7-H3についても同様な検討を行う予定である。
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