2003 Fiscal Year Annual Research Report
腎臓における時間空間的に制御可能な臓器細胞特異的遺伝子変異導入システムの開発
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14770548
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
頼 建光 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80334431)
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Keywords | クロライドチャネル / 水チャネル / KLF / トランスジェニックマウス / ノックアウトマウス / 特異的発現 / コンディショナルノックアウト / 腎臓 |
Research Abstract |
1)腎臓の遠位尿細管に特異的に遺伝子を発現させるためにマウスClC-CK1、ClC-K2、AQP-2輸送体遺伝子のプロモーター領域を単離した。ClC-K1のプロモターの下流にレポーター遺伝子としてGFP蛋白を接続してトランスジェニックマウスを作製し、遠位尿細管に組織細胞特異的なGFPの発現を確認した。さらにClC-K1の下流にCre-ER^Tを発現させるコンストラクトを作製、トランスジェニックマウスを作製した。現在このマウスにtamoxifenを投与することにより遠位尿細管特異的にCreを、任意のタイミングで発現させることができるかを検証中である。 2)遺伝性の腎性尿崩症においてAQP2水チャネルの遺伝子異常が原因として報告されている。これらの異常を含む発現ベクターを作製、培養細胞系に遺伝子導入し、実際の細胞内での変異蚕白の発現、挙動、機能を調べたところ、変異タンパクの細胞膜への輸送の異常が確認された。さらにAQP-2プロモーターの下流にこれらの異常を含むAQP2発現ベクターを作製、トランスジェニックマウスを作製したところ、partialな尿崩症を呈していた。現在変異AQP2のノックインマウスを作製中である。 3)転写因子Kruppel-like factor (KLF)のうちKLF12及びKLF15は出生後約2週の腎臓において発現し始める。腎臓の輸送体の細胞特異的な発現とKLFの関連を探るため、KLF12のコンディショナルノックアウトマウスの作製に着手した。loxP配列間にATGコドンを含むエクソンをミドルアームとしてノックアウトベクターを作製し、ES細胞に遺伝子導入、相同組み換えをおこしたESクローンを20以上得た。これらからキメラマウスを得ることに成功した。今後ノックアウトマウスを作製し、形質を検討する。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Hayama A, Rai T, Sasaki S, Uchida S: "Molecular mechanisms of Bartter syndrome caused by mutations in the BSND gene."Histochem Cell Biol. 119. 485-493 (2003)