2002 Fiscal Year Annual Research Report
アルギニン・バソプレシンのメサンギウム細胞のサイトカイン誘導アポトーシスへの影響
Project/Area Number |
14770554
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
海野 鉄男 自治医科大学, 医学部, 助手 (00275679)
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Keywords | apoptosis / arginine vasopressin / nitric oxide / cultured rat mesangial cells |
Research Abstract |
ラット培養メサンギウム細胞(MC)において、アルギニン・バソプレシン(AVP)のサイトカイン誘導による一酸化窒素(nitric Oxide : NO)産生への影響および、サイトカイン誘導アポトーシスへの影響を検討した。MCを培養し、lipopolysaccharide(LPS)とinterleukin-1β(IL-1β)を培養液中に添加すると、inducible-NO synthase(i-NOS)誘導による24時間後のNO産生増加が確認された。これに対し、AVPの同時添加は濃度依存性にNO産生を抑制した。また、LPSとIL-1βを培養液中に添加すると、非添加時に比べMCのアポトーシスも増加した。これに対し、AVPまたはL-NMMAを同時添加すると、アポトーシスの増加は抑制された。これらからNOのアポトーシスへの関与が示唆された。またMCにおけるAVPの、IL-1βとLPSの刺激によるアポトーシス誘導の抑制機序としてNO産生抑制を介している可能性が示唆された。更に、AVPのV1レセプター阻害剤である、[1-(β-mercapto-β,β-cyclopen tamethylene propionic acid),2-(O-Me)Tyr^2,Arg^8]vasopressinを同時添加するとAVPのNO産生抑制効果とアポトーシス発現抑制効果は解除された。これに対し、LPSとIL-1β、AVPに、オキシトシン・レセプター阻害剤の[d(CH_2)_5,Tyr(Me)^2,Orn^8]vasotocinを同時添加するとAVPのNO産生抑制効果とアポトーシス発現抑制効果は解除されなかった。これらよりMCにおいてAVPは、IL-1βおよびLPS刺激によるアポトーシス誘導をV1-レセプターを介しNO依存性に抑制する可能性が示唆された。
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