2004 Fiscal Year Annual Research Report
発生工学的手法を用いた脳内アロマターゼの機能に関する研究
Project/Area Number |
14770591
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
本田 伸一郎 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (40257639)
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Keywords | エストロゲン / 遺伝子発現 / チトクロームP-450 / 脳 |
Research Abstract |
脳におけるアロマターゼは神経細胞、および時期特異的に発現し、周生期における脳の性分化に深く関わっている。アロマターゼの脳特異的プロモーターは上流200bp領域に強い活性を有し、この中にaroA-I、A-II、そしてBと名付けた3種のシスエレメントが存在する。今回、A-II結合タンパク質を同定し、その性質を明らかにする目的で実験を行なった。A-II結合タンパク質cDNAの単離は、酵母one-ハイブリット法を利用して行なった。単離されたcDNAクローンがコードするタンパク質のA-IIサイトへの結合の解析はゲルシフト法、およびChIP assay法にて行なった。また、脳特異的アロマターゼプロモーター活性に対する影響は、培養細胞を使用して、ルシフェラーゼ遺伝子をレポーターとして解析した。得られた複数のクローンの塩基配列の解析により、核内受容体スーパーファミリーに属する転写因子であるARP1がA-II結合タンパク質である可能性が示唆された。胎生15日目の胎仔間脳部の核抽出液を用いたゲルシフト法におけるシグナルは、抗ARP1抗体によりスーパーシフトした。さらに、ChIP assayを利用した解析により、in vivoにおいてもARP1がアロマターゼプロモーターのA-IIサイトに結合している事が明らかとなった。また、培養細胞を用いた脳アロマターゼのプロモーター活性は、ARP1の発現量依存的に増加した。以上のようにA-II結合タンパク質としてARP1が単離、同定された。一般的にARP1は、種々のプロモーターに対して抑制的に働くが、脳特異的アロマターゼプロモーターに対しては活性化因子として働くことが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)