2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14770594
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
坂 信広 秋田大学, 医学部, 助手 (90333921)
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Keywords | ES細胞 / インスリン / グルコース応答性 / PDX-1 / EGFP / ノックインマウス |
Research Abstract |
現在のインスリン注射に替わる糖尿病の治療法のひとつとして、膵島移植があげられる。移植に用いる膵島細胞には同種あるいは異種動物の膵島を用いる方法の他に、ES細胞や体性幹細胞を分化誘導させた膵島細胞を考えられるが、2001年にNIHのMcKayらのグループがES細胞からインスリン分泌細胞の作製に初めて成功したと報告された。しかしこの分化させた膵島様細胞は初代培養膵島と比較してグルコース応答性インスリン分泌が不良であることから実用化には更なる検討が必要と考えられている。 まず我々は、McKayらの手法の再現性について検討した。マウスES細胞をハンギング・ドロップ法を用いて3次元的に培養することにより、正常の発生に酷似した胚様体(Embryoid Body)を形成させ、分化増殖因子(bFGF、ニコチナマイド)を培養液中に加えることにより、抗インスリン抗体で染色されるインスリン陽性細部への分化誘導を再現することができた。しかし、インスリン陽性細胞への分化効率は悪く、グルコース応答性インスリン分泌細胞をより効率良く分化誘導させるためには新たな方法の開発が求められる。 一方、転写因子PDX-1の遺伝子を欠損させたマウスでは膵の形成が認められなくなることから、膵島の形成にはPDX-1の発現誘導が必須であると考えられている。そこで我々は、ES細胞から膵島へより高率に分化誘導させるためにPDX-1の発現誘導をより詳細に検討することが必要であると考えた。そのためにマウスPDX-1遺伝子をファージライブラリーから単離し、相同組換えを行うことによって、PDX-1遺伝子のExon2の部位にEGFP(enhanced green fluorescence protein)遺伝子(SA・IRES・EGFP・pA)をノックインしたES細胞株を樹立した。このESを用いて膵島へ分化させることにより、あるいはノックインマウスを樹立することによって、EGFPの検出により内在性PDX-1の発現機構をより厳密に検討することや、PDX-1陽性細胞のみを単離することが可能になる。さらに、PDX-1の発現誘導因子の単離・同定が可能になると考えている。
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[Publications] Ban, N., et al.: "Hepatocyte nuclear factor-lalpha recruits the transcriptional co-activator p300 on the GLUT2 gene promoter"Diabetes. 51・(5). 1409-1418 (2002)
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[Publications] Miyawaki, K., et al.: "Inhibition of gastric inhibitory polypeptide signaling prevents obesity"Nat.Med.. 8・(7). 738-742 (2002)
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[Publications] Tanaka, Y., et al.: "Temporal and spatial profiles of ABCA2-expressing oligodendrocytes in the developing rat brain"J.Comp.Neurol.. 455・(3). 353-367 (2003)
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[Publications] Sugawara, F., et al.: "The role of the TSC-22 (-396) A/G variant in the development of diabetic nephropathy"Diabetes Res.Clin.Pract.. 60・(3). 191-197 (2003)
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[Publications] 坂 信広, 稲垣 暢也: "膵β細胞インスリン分泌調節装置の新展開"医学のあゆみ 医歯薬出版 糖尿病-予防から治療まで. 207・(9). 585-590 (2003)