2002 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病での血清フルクトース値増大要因の解明、ポリオール代謝系とリン酸化糖の検討
Project/Area Number |
14770606
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
小片 展之 帝京大学, 医学部, 助手 (30328075)
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Keywords | 尿中フルクトース / 血中フルクトース / フルクトース / グルコース-6リン酸 / フルクトース-6リン酸 |
Research Abstract |
新しく開発した高精度測定法を用いて、血液および尿中フルクトース濃度を測定した。糖尿病患者(n=26)の早朝空腹時血清フルクトース濃度は12.0±3.8μmol/Lであり、非糖尿病患者(n=25)(7.7±1.6μmol/L、P<0.001)と健常者(n=23)(8.1±1.0μmol/L、P<0.001)に比べ、有意に高値であった。糖尿病患者のフルクトース一日尿中排泄量は127.8±106.7μmol/日であり、非糖尿病患者37.7±23.0μmol/日に比べ、有意に高値であった(P<0.001)。糖尿病患者(n=20)では、高血糖状態の改善に伴って、入院2週間後には早朝空腹時血清フルクトース濃度(8.6±1.8μmol/L、P<0.001)、フルクトース一日尿中排泄量(63.4±63.8μmol/日、P<0.01)と有意な低下を示した。さらに、我々は空腹時に比べ食後では血漿フルクトース濃度が血糖値と異なった変動を示すことに着目し、糖尿病合併症進展に及ぼす影響について検討した。38例の2型糖尿病患者について各食後2時間値より平均食後血漿フルクトース(F)値を算出し、高フルクトース(H)群(F値31.9±6.5μmol/L、n=12)、低フルクトース(L)群(F値18.2±3.7μmol/L、n=26)に分け、糖尿病合併症有病率を比較した。H群はL群に比べ単純性以上の網膜症の有病率が有意に高く(H群83.3%、L群46.2%、P<0.05)、微量アルブミン尿以上の腎症の有病率(H群66.7%、L群34.6%)が高い傾向がであり、食後血漿フルクトース値の増大が糖尿病合併症の発症、進展に関与していることが強く示唆された。現在、既知の高速液体クロマトグラフィによるAMP、ADP、ATPの定量法を応用し、グルコース-6リン酸やフルクトース-6リン酸の高精度定量法を開発中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kawasaki T., Ogata N., Akanuma H., Sakai T., Watanabe H., Ichiyanagi K., Yamanouchi T.: "Postprandial plasma fructose level is a candidate of risk factors for retinopathy in patients with type 2 diabetes"Diabetic Medicine (in press). (in press). (2003)
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[Publications] Sekino N., Kashiwabara A., Inoue I., Kawasaki I., Ogata N., Sawashige K., Yamanouchi T.: "Usefulness of Troglitazone administration to obese hyperglycaemic patients with near-normoglycaemia"Diabetes Obesity and Metabolism. Vol5(3). 145-149 (2003)