2003 Fiscal Year Annual Research Report
自己ポリユビキチン化によるBARD1の安定性と細胞内局在の変化
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14770630
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
橋詰 倫太郎 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (50288180)
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Keywords | BRCA1 / BARD1 / RINGフィンガー / ユビキチンリガーゼ / 家族性乳癌 / タンパク質分解 |
Research Abstract |
BRCA1-BARD1ユビキチンリガーゼはLys-6を介したユビキチン鎖を触媒する。中間報告ではDominant Negative作用を有する死活型UbcH7を用いた実験結果から、Lys-6を介したユビキチン鎖によるBRCA1の自己ユビキチン化はタンパク質分解のシグナルである可能性を報告したが、その後の研究者の所属する研究室の詳細な実験結果からLys-6を介したユビキチン鎖はタンパク質分解のシグナルではなく、プロテアソームによって脱ユビキチン化されることが判明した。BARD1の細胞内局在の解析に関してはBARD1のC末端に対する抗体を用いて内因性BARD1の局在を共焦点レーザー顕微鏡にて解析した。細胞周期においてBRCA1はS期からG2-M期にかけて出現し、この時期にBARD1と結合し、ユビキチンリガーゼ活性を獲得すると考えられるが、興味あることにS期では核内でdot形成しているBARD1がM期において発現が増強し、染色体周囲に局在することがわかった。すなわち、M期にBRCA1-BARD1は自己ユビキチン化して安定化し、さらに強い活性を獲得していることが考えられた。自己ユビキチン化がこの局在に与える影響を解析するためにLys残基をArg残基に変異させたユビキチンを共発現させてBARD1の細胞内局在の変化を観察したが、明らかな局在の変化は認められなかった。さらに、自己ユビキチン化したBARD1およびBRCA1とBRCA1-BARD1ヘテロダイマー型ユビキチンリガーゼがBRCA1の癌抑制機能上どんな役割をもつか解明するために、BRCA1(N末端)、BRAD1および変異型ユビキチンによるp21遺伝子の転写調節への影響をルシフェラーゼ・アッセイにて解析したが、転写活性には有意な影響は認められなかった。
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