2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト膵癌における特異抗原同定から抗体療法への展望(膵癌特異抗体の作製)
Project/Area Number |
14770651
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
池田 直也 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (20336861)
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Keywords | 膵癌 / 線維芽細胞 / 抗体療法 / 細胞運動阻止抗体 / モノクローナル抗体 / Hybridoma |
Research Abstract |
今回の研究では,膵癌が固形癌の中でも非常に間質が多く,癌細胞と間質との相互作用により他に類をみない悪性度を獲得する特徴を有している点に着目し間質の中の線維芽細胞に焦点を絞った.線維芽細胞の遊走能を司るような分子を膵癌細胞自体が産生していると考え,その分子に対する抗体を作成,モノクローナル化してゆき,さらに作製した抗体の中から線維芽細胞の遊走能を制御する機能を持ったモノクローナル抗体(MAb)の選別をおこなうことを目的として実験を立ち上げた.本年度は,種々の膵癌細胞株にてBalb/cマウスを免疫後に脾臓を摘出し,細胞分離によりB細胞のみを分離し,このB細胞とマウスミエローマ細胞株SP2とでHybridomaを作製した.次にその培養上清を用いて目的とする抗体のスクリーニングを進めてきた.スクリーニングとしてはHybridoma培養上清と当科で樹立した膵線維芽細胞株NAFI-1を金コロイド上で接触させ,NAFI-1の遊走能を阻害するものを選択する方法をとり,これまで2種類のHybridomaをスクリーニングし得た.しかし,NAFI-1の継代を続けるなかでNAFI-1が不安定となり,継代に制限があることが判明したため,目的とするHybridomaを2種類得た時点でスクリーニングを一旦中断した.本年度内では,得られたHybridomaの中から膵癌に特異性の高いものだけに絞り込み,さらにそれらの抗体が認識する抗原蛋白の分子量の決定までおこなう予定であったが,これらは先の一旦中断したスクリーニングとともに次年度おこなう予定である.
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Research Products
(1 results)