2002 Fiscal Year Annual Research Report
抗癌剤と樹状細胞ワクチン療法の併用による抗腫瘍効果の増強の検討
Project/Area Number |
14770667
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
畑地 美妃 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20307573)
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Keywords | 化学療法 / 樹状細胞ワクチン / 化学免疫療法 |
Research Abstract |
マウスの大腸癌細胞株CT-26を用いて皮下腫瘍モデル及び肺転移モデルを作製した。皮下腫瘍モデルでは1x10^5の細胞を皮下に注射することで1週問後に4-5mm大の結節を形成した。肺転移モデルでは1x10^<5n>の細胞を尾静脈から注射することで1週間後に肉眼視できる1-2mm大の結節を20-40個形成した。次に同じモデルで、腫瘍細胞を接種1週間後の担癌状態のマウスにシスプラチン、アドリアマイシン、5-FUを腹腔内に投与した。治療スケジュールは腫瘍細胞接種後7日目に1回投与とした。シスプラチンは0.5,1.0,2.0,5.0,10.0mg/kgのうち1.0mg/kg以上にて有意差をもって、肺転移モデル、皮下腫瘍モデル両方で腫瘍増殖抑制効果が認められた。しかし5.0mg/kg以上では副作用が認められ、2.0mg/kgを至適投与量とした。 同様にアドリアマイシンでは0.5mg/kg、5-FUは20mg/kgを至適濃度とした。次にCT-26モデルで、皮下腫瘍に対してCT-26から抽出したlysatesをパルスした樹状細胞で治療を行った。皮下に腫瘍を接種後3日目から3日おきに3回樹状細胞を投与すると有意に腫瘍増殖を抑制し拒絶するマウスも認められた。しかし7日目からの投与では腫瘍増殖は抑制されるが拒絶は認められなかった。肺転移モデルでは腫瘍を接種後3日目から3日おきに3回樹状細胞を接種すると有意に転移結節の個数は抑制され、転移結節を拒絶するマウスも認められた。しかし7日目からの投与では、転移結節はまったく抑制されなかった。 皮下腫瘍モデル及び肺転移モデルを用いて、抗ガン剤と樹状細胞の併用効果を検討していく予定である。
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