2002 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌微小リンパ節転移検出に用いる新規遺伝子マーカー単離に関する研究
Project/Area Number |
14770669
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
馬渕 秀明 大阪医科大学, 医学部, 助手 (80340545)
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Keywords | 胃癌 / 微小リンパ節転移 |
Research Abstract |
平成14年度における当科の胃癌手術症例は、133例であった。正常組織の混入を可及的に減少する目的で対象をinformed consentが得られた進行胃癌患者40例とし、手術摘出標本から1)正常組織、2)腫瘍組織を採取し、各組織からRNAを抽出した。このうち肉眼的にリンパ節転移陽性と判断した7症例に対しては転移リンパ節も採取し、RNAを抽出した。すなわち、採取した組織を可及的速やかに凍結保存し、RNA変性を予防する目的で採取後1週間以内にRNAを抽出し、-80℃にて保存した。 当教室で経験した胃癌症例の臨床病理学的因子を解析し、個々の症例に術前および術中にリンパ節転移を認めないと診断したが、data解析上リンパ節転弯移頻度が最も高いリンパ節を臨床病理学的因子から推測可能か否かを検討してみた。その結果、胃大弯に位置した胃癌は大沓側リンパ節に最初に転移を認めることが示唆されたが、それ以外の部位では、癌占居部位とリンパ節転移部位との間に一定の傾向は認められなかった。したがって、平成15年度の標本採取では、第1群リンパ節全てをを高頻度癌転移リンパ節として採取することが望ましいが、術後の病理組織学的検査の重要性を考慮すると、もっとも近傍のリンパ節を高頻度癌転移リンパ節として検討することが妥当と考えられた。 現在、上記の方法で得られた肉眼的リンパ節転移陽性進行胃癌症例の腫瘍組織と正常組織のmRNAを用いてPCR-Selected Subtraction Hybridizationを行い、腫瘍組織に特異的に発現している遺伝子を単離中である。
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