2003 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌微小リンパ節転移検出に用いる新規遺伝子マーカー単離に関する研究
Project/Area Number |
14770669
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
馬渕 秀明 大阪医科大学, 医学部, 助手 (80340545)
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Keywords | 胃癌 / 微小リンパ節転移 |
Research Abstract |
平成15年度の研究にinformed consentが得られた進行胃癌患者は44例であった。手術摘出標本から正常組織と腫瘍組織を採取し、RNAを抽出した。このうち肉眼的にリンパ節転移陽性と判断した2症例に対しては転移リンパ節も採取し、RNAを抽出した。この際、14年度の臨床病理学的な検討結果から、占居部位が大弯側の症例は大弯側の肉眼的転移陽性リンパ節を、その他の部位は最も近傍の転移リンパ節を採取した。 平成14年度に採取した症例も加えて肉眼的リンパ節転移陽性進行胃癌症例の腫瘍組織と正常組織のmRNAを用いてPCR-Selected Subtraction Hybridizationを行った。まず、対象症例の中で特に高度にリンパ節転移を来していた症例を優先的に選択した。選択した症例のTotal RNAをmRNA purification kitを用いて可及的にpureなmRNAを抽出し、PCR-Selected Subtraction kit (Clontech)のmanualにしたがって実験を進めていった。腫瘍組織をTargetに、正常組織をDriverに設定し、それぞれから抽出したmRNAを用いて2nd stralnd cDNAを作製した。次いで両cDNAをRsa1で消化し、Target cDNAにはAdapterをligationした。これらの各工程でエタノール沈殿による精製を行っているために予想していたより多くのDNAをlossしてしまった。また、Adapterのligation効率が未だ良好といえず、Hybridization後に解析に用いるほど遺伝子の単離が行えていないのが現状である。今回申請した研究期間は本年度で終了であるが、step by stepに各工程を検証しつつ、再実験中であり、是非とも癌組織に高発現している遺伝子群を単離して臨床に役立たせたい。
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