2003 Fiscal Year Annual Research Report
生化学的抗腫瘍剤アンチネオプラストンのDNAメチル化におよぼす影響
Project/Area Number |
14770672
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
鳥越 昇二郎 久留米大学, 医学部, 助手 (40330831)
|
Keywords | Antineoplaston / AS2-1 / G1 arrest / Methylation / Apoptosis |
Research Abstract |
1)大腸細胞に対するアンテネオプラストン(AN)の抗腫瘍メカニズム a.細胞周期の解析 A10-IおよびAS2-1はKM12SM,SW620,SW1417,Colo206,HCT116いずれの細胞に対しても1mg/ml以上の濃度でG1期細胞の比率が上昇,A10-IおよびAS2-1の大腸癌細胞に対するG1休止作用が示唆された.さらに高濃度ではsubG1期細胞(死細胞)が認められ,G1期細胞比率は低下し,HCT116細胞(wild p53)ではG2期細胞比率が増加した. b.細胞周期調節因子発現の検討 KM12SM(mutant p53)およびHCT116細胞を0〜5mg/mlのAS2-1で0〜72時間培養し、細胞内cyclins, cyclin dependent kinases (CDKs),p16,p21およびリン酸化Rb発現をwestern blotにより解析した.AS2-1は両細胞に対しG1期を制御するcycline D, Eおよびリン酸化pRb発現を濃度・時間依存的に抑制し,p16およびp21発現を濃度・時間依存的に増強した.一方、HCT116細胞ではAS2-1によるG2期制御因子であるcdc2の発現現弱が認められた. c.アポトーシスの誘導 高濃度(5mgから10mg/ml)のAN処理により認められるsub G1期大腸癌細胞は大部分がAnnexin V陽性のアポトーシス細胞であった.すなわち,アンチネオプラストAS2-1が高濃度になると何らかのアポトーシス誘導機構が活性化され,G1期細胞休止からアポトーシスの誘導が示唆された.
|