2002 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌の分子生物学的特性からみた治療成績向上のための基礎的研究
Project/Area Number |
14770682
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
原 英則 北里大学, 医学部, 助手 (40286307)
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Keywords | 肺癌 / テロメラーゼ / hTERT / TRAP / 予後因子 |
Research Abstract |
肺癌症例において癌部および非癌部組織を採取し,検体組織中の酵素テロメラーゼを抽出,PCR法を用いてテロメラーゼ活性を測定した.さらに採取された検体組織からRNAも抽出し,RT-PCR法を行って肺癌及び非癌部におけるhTERT gene mRNAの発現状態を測定した.62例の肺癌組織検体中,テロメラーゼ活性は47例に,hTERT gene mRNAの発現も47例に認められ,いずれも陽性であった症例は39例であった.しかしながら,62例の非癌部組織には,テロメラーゼ活性及びhTERT gene mRNAの発現は,いずれも認められなかった.テロメラーゼ活性陽性・hTERT gene mRNA陰性の症例は8例,テロメラーゼ活性陰性・hTERT gene mRNA陽性の症例は8例,テロメラーゼ活性陰性・hTERT gene mRNA陰性の症例は7例に見られた.また今回,hTERT gene mRNAのRT-PCR産物を電気泳動した後,デンシトメトリーを用いて泳動写真からバンドの濃淡を数値化し,hTERT gene mRNAの発現の強さを半定量化した.テロメラーゼ活性とhTERT gene mRNAの発現レベルの半定量的解析によると,hTERT gene mRNAの発現は,テロメラーゼの活性と相関することが判明した(r=0.4,P<0.002).
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