2003 Fiscal Year Annual Research Report
急性肺傷害における肺組織保護を目的とした液体換気治療の効果
Project/Area Number |
14770686
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山本 学 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10317159)
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Keywords | 急性肺障害 / 部分液体換気 / IL-8 / 人工酸素運搬体 / 肺洗浄 / PFC |
Research Abstract |
肺表面活性物質surfactantを除去して作成した傷害肺に対して,人工酸素運搬体であるリポソーム包埋ヘモグロビン(liposome encapsulated hemoglobin, LEH)を用いて部分液体換気(partial liquid ventilation, PLV)を施行し,ガス交換の改善および肺組織の保護効果があることを報告してきた.昨年度,LEHを用いた部分液体換気において,炎症性サイトカインであるIL-8を,液体換気液,肺胞洗浄液中で測定し,肺組織保護効果について液性因子の面から検討し報告した.日本家兎を用いた生食洗浄傷害肺モデルにおいて,LEHを用いたPLV群と機械換気のみ行なう群について,液体換気液,肺胞洗浄液を採取し,IL-8を測定(ELISA)した.その結果,PLV群において機械換気群を上回るIL-8の上昇を認めたため,肺組織保護効果には,他の因子からの検討も必要であるとした. 本年度は,液体換気液として広く用いられているperfluorocarbon(PFC)にて,同条件のもと実験を施行,まだ報告のないPFC液体換気後の肺胞洗浄液中のIL-8を測定,また抗IL-8抗体による肺組織の免疫組織化学染色を施行し,IL-8の発現に関して検討することとした.LEH同様,PFCによる液体換気においても循環動態は安定,投与直後よりPaO2の著明な上昇を認めた.肺胞洗浄液中のIL-8は,PFC群において有意に低値,肺組織中での発現も低いとの結果を得た.
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