2002 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病ラットにおける血行再建後グラフトの動脈硬化予防に関する研究
Project/Area Number |
14770687
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
山本 平 順天堂大学, 医学部, 助手 (70301504)
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Keywords | 糖尿病ラット / 動脈グラフト / 静脈グラフト / グラフト動脈硬化 / 膵臓移植 / 灌流固定 |
Research Abstract |
生後8週前後のWister ratの自家腸腰静脈をバイパスグラフトとして用い、腹部大動脈に吻合し、静脈グラフトによる血行再建の実験モデルとした。また、動脈グラフトは同種Wister ratから採取した腹部大動脈を用い動脈グラフトによる血行再建の実験モデルとした。 術後8週経過したWister ratの血行再建後のグラフトを病理組織学的に検討した。静脈グラフトでは内皮細胞増殖、内膜・中膜への平滑筋細胞の増殖が強く認められた。動脈グラフトでは動脈硬化の進行は軽度であった。これより、この実験モデルで血行再建後の動脈硬化を比較することが可能だと判断した。また、弾性板の萎縮を予防するために腹部大動脈にカテーテルを挿入し、2.5%glutalardehydeを含んだ0.1Mcacodylate bufferを注入し、灌流固定し、電子顕微鏡標本の検討を開始した。この標本から弾性板の構造変化を検討している。 Wister ratにstreptozotocin 55mg/kgを投与し、血糖400mg/dl以上の糖尿病ratを作成し、その糖尿病ラットに血行再建、膵移植を同時に行う術式では過度な侵襲となり、術後生存を獲得するのが困難であった。また、遠隔機にも、高血糖による多尿やアシドーシスなど全身状態が非常に悪く、8週間生存することが非常に困難であった。 現在、streptozotocinの投与量の検討を行っている。また、比較的軽症糖尿病のGoto-Kakizaki ratを用いた同様のモデル作成を検討中である。
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