2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト非小細胞肺癌におけるALCAM/CD166の発現の意義について
Project/Area Number |
14770693
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
平井 恭二 日本医科大学, 医学部, 助手 (70318525)
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Keywords | 非小細胞肺癌 / ALCAM / CD166 / 接着因子 |
Research Abstract |
Activated leukocyte cell adhesion molecule(ALCAM)/CD166は免疫グロブリンスーパーファミリーの1つで、Type 1 transmembrane proteinである。このALCAM/CD166は元来、神経系や免疫応答の発達を制御する接着因子と考えられている一方で、種々癌細胞株で発現がみられるとの報告がある。近年、転移能を有するヒトメラノーマ細胞株においてALCAM/CD166の発現の増加が示され、転移能とも相関することが示された。 われわれは、ヒト非小細胞肺癌におけるALCAM/CD166の発現について検索し、その発現意義を臨床病理学的因子との比較を中心として検討した。30例の非小細胞肺癌について免疫組織化学的に臨床病理学的検討を行った。 30例の内訳は腺癌22例、扁平上皮癌8例で病期はI期16例、II期6例、III期8例であり、病期による発現差がみられた(I期vs II+III期,P<0.05)(I期症例で高発現が多かった(16例中12例陽性))。Disease free intervalに関してALCAM/CD166の発現の有無で有意差を認めた。(ALCAM/CD166の発現の陽性症例が予後良好であった。) RT-PCRによりALCAM/CD166 mRNAの発現を正常肺組織、肺癌組織ともに認めた。組織型、分化度、リンパ節転移の有無との相関はみられなかった。上記内容について第101回日本外科学会総会、第42回日本肺癌学会総会、第42回呼吸器病学会総会、第8回Central European Lung Cancer Conferenceで学会発表を行った。
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