2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト非小細胞肺癌におけるALCAM/CD166の発現の意義について
Project/Area Number |
14770693
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
平井 恭二 日本医科大学, 医学部, 助手 (70318525)
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Keywords | 非小細胞肺癌 / ALCAM / CD 166 / Annexin II |
Research Abstract |
ALCAM/CD166に関して100例の非小細胞肺癌について兔疫組織化学的に臨床病理学的検討を行った。100例の内訳は腺癌74例、扁平上皮癌26例で病期はI期38例、II期18例、III期40例、IV期4例であり、病期による発現差がみられた(I+II期 vs III+IV期, P<0.05)(III+IV期症例で高発現が多かった(44例中29例陽性))。組織型、分化度、リンパ節転移の有無との相関はみられなかった。同じ連続切片上でのE-cadherin、almexin IIの発現も免疫組織化学的に比較検討し、その結果ALCAM/CD166とalmexin II発現に相関がみられた(P=0.03)。Overall survivalに関してALCAM/CD166の発現の有無で有意差を認めた(ALCAM/CD166の発現の陽性症例が予後不良であった. Logrank test, P=0.04)。RT-PCRによりALCAM/CD166 mRNAの発現を正常肺組織、肺癌組織ともに認め、β-アクチンを内因性コントロールとして半定量した。Densinometric analysis(Mean±SD)の結果、正常肺組織0.89±0.21、肺癌組織3.41±0.32と有意に癌組織で高値を示した(P<0.001)。ALCAM/CD166mRNAの組織局在についてはin situ hybridization法により検討し、正常肺組織の肺胞上皮細胞の核周囲にALCAM/CD166 mRNAの発現がみられた。また、癌組織では癌細胞の細胞質に強い局在が確認できた。ALCAM/CD166がannexin IIとともに発現し予後不良因子であることが示された。さらに蛍光二重染色により肺非小細胞株(PC-9,A549)でALCAM/CD166,annexinIIの発現を確認した。現在、肺非小細胞株(PC-7,PC-9,A549)を用いてALCAM/CD166,annexin IIのmRNA発現をNorthern blot法にて分析し、発現差を比較し相関を検討している。 従来発表してきた内容と結果が若干異なることとなったがこの時点でJ Clinical cancer researchに投稿中である。
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