2002 Fiscal Year Annual Research Report
悪性脳腫瘍における遺伝子発現機序に基づいた薬剤耐性の克服
Project/Area Number |
14770698
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
柳澤 俊晴 秋田大学, 医学部, 助手 (20311574)
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Keywords | MGMT / ニトロソウレア剤耐性 / 脳腫瘍 |
Research Abstract |
腫瘍細胞のニトロソウレア剤耐性の指標として注目されているDNA損傷修復酵素であるO^6-methylguanine-DNA methyltransferase(MGMT)について当研究室では1989年より脳腫瘍細胞のMGMT酵素活性とニトロソウレア剤耐性の関連について研究を重ね,in vitro、in vivoともにMGMT酵素活性が高値の腫瘍ほどニトロソウレア剤に対して耐性を示し,低値の腫瘍では感受性を示すことを報告してきた.また,臨床的にもMGMT酵素活性が脳腫瘍のACNU(ニトロソウレア剤)感受性の指標であることを明らかにし,選択的化学療法の可能性を示してきた.MGMT遺伝子の発現抑制に関してMGMTの遺伝子転写開始部位,第4エクソン開始部位,MGMT活性の中心をなす145番目のシステイン塩基近傍の計3ヶ所に対してそれぞれに対する特異的配列を持つリボザイムを50〜52merのサイズで設計し,pBlueScript IIのMCS(EcoR I site)に導入してin vitro trasnscriptionを行い,RzA, RzB, RzCを作成した.Cell free systemの実験系として、MGMT遺伝子のcDNAを組み込んだpKT107(Dr. Mitraより譲渡)からin vitro trasnscriptionを行い合成したMGMT mRNA(^<32>P標識)をMgCl_2存在下で同一モル数のRzA, RzB, RzCをそれぞれ反応させたところ、37℃の条件では明瞭な切断反応は観察されなかったが、温度を60℃まで上昇させた条件下で反応させると、RzA, RzB, RzCともにMGMT mRNAに対する特異的切断反応を示し、以前に同様の方法で作成したRz1、Rz2、Rz3よりいずれのリボザイムも反応時間に応じて効率が上昇した.現在、各リボザイム間の切断効率の差を各種条件(温度、濃度、時間等)を変えて検討している.また、ラット移植脳腫瘍モデルを作成し、腫瘍の増殖速度、ACNUの腹控内投与による治療効果などの基礎データを収集中である。
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