2003 Fiscal Year Annual Research Report
神経膠芽腫における、低酸素状態でのPTEN-AKT経路の役割―神経膠芽腫病態解明の為の基礎的研究―
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14770699
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
園田 順彦 山形大学, 医学部, 助手 (90302140)
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Keywords | 神経膠腫 / PTEN / AKT |
Research Abstract |
実験1) ヒト神経膠腫凍結標本より、タンパク質、mRNAを抽出した。得られたタンパク質をSDS-PAGEに展開後、メンブランに転写した。PTEN、AKT、phospho-AKTを用いウエスタンブロッティングを行った。結果として膠芽腫のおよそ60%程度にAKTの過剰発現が認められた。しかしながらPTENタンパク質の発現が減少している症例はかならずしもphospho-AKTの過剰発現している症例とは一致せず、別の経路の異常からphospho-AKTが過剰に発現している可能性が示唆された。次に、実際にPTENタンパク質の発現が減少している患者においてPTEN遺伝子の異常が認められるかを確認するため以下の実験をおこなった。まず摘出標本より抽出したmRNAよりcDNAをRT反応にて作成し、それをtemplateとしてPTENのcDNA領域をPCR法で増幅した。現在、得られたPTEN断片のシークエンスを行っている。 実験2) PTENタンパク質が野生型であるNHA E6/E7/hTERT/Rasは低酸素状態においてPTENの発現が増加した。このことよりPTENは低酸素等のストレスにおいて、発現が誘導され細胞周期を停止されるか、あるいはアポトーシスを誘導する可能性が示唆された。したがってPTEN遺伝子に変異のある神経膠芽腫においては低酸素状態でも細胞周期が停止せず、アポトーシスも誘導されないため、虚血に対して耐性がある可能性が考えられた。
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