2002 Fiscal Year Annual Research Report
損傷脊髄機能回復へのシュワン細胞移植による実験的試み
Project/Area Number |
14770718
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高見 俊宏 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20305626)
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Keywords | 脊髄損傷 / 細胞移植 / シュワン細胞 / 機能回復 |
Research Abstract |
1.(1)ラット急性脊髄圧迫損傷モデルを、Weight loading法にて作成した。損傷度のばらつきを最小限とする目的で、頭部および体幹を定位手術装置に固定し、微量可動式圧迫装置を用いて急性圧迫損傷を作成した。損傷強度および時間のパラメーターをいくつか変更し、急性圧迫損傷モデルの再現性について確認した。損傷後12週間の生存期間を設け、運動機能回復および形態学的に解析した結果、同じ損傷パラメーターのラット間には有意な差を認めず、今回用いた定位圧迫装置によるモデル作成が良好であることを確認した。 (2)微小バルーンによる慢性脊髄圧迫損傷については、再現性および確実性を向上させるため、微小バルーンの選択・調整を行った。 2.細胞移植に関しては、同じく定位手術装置を用いて微量注入法にて行った。準備実験段階ではあるが、移植時期および移植細胞数などのパラメーターを変更して細胞移植を行った。 (1)損傷部位の血流動態およびエネルギー代謝評価には、ポジトロンエミッショントモグラフィーを用いた(動物PETスキャン)。損傷部位の糖代謝について検討したが、ラット脊髄断面の解像度が不十分なため定量評価が困難であることが明らかとなり、解析方法および感度の調整を行った。 (2)神経トレーサーによる皮質脊髄路の評価では、大部分の皮質脊髄路軸索は損傷近位部で典型的な損傷形態を呈したが、ごく僅かに損傷中央部へと伸展する様子が観察された。 (3)脊髄感覚機能の評価を目的に、動物用脳磁図測定装置を用いて坐骨神経刺激下における脳磁場の測定を行った。現在までに、ラット用微小刺激電極の作成および測定装置の調整を終了した。
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