2002 Fiscal Year Annual Research Report
脳動脈瘤とendoglin遺伝子の運鎖解析・関連解析
Project/Area Number |
14770722
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
川島 明次 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70287374)
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Keywords | 脳動脈瘤 / endoglin / 連鎖解析 / 関連解析 |
Research Abstract |
(目的)これまでにendoglinがくも膜下出血の原因である脳動脈瘤の責任遺伝子との報告がなされている(J Neurosurg 1999;90:935-938)。これに対し、白人では否定的な報告がなされている(Stroke 2001;32:2689-2694)。今回の研究の目的は、日本人においてendoglin遺伝子が真に脳動脈瘤感受性遺伝子であるか決定することにある。そのために1)罹患同胞対連鎖解析により第9番染色体長腕(endoglin遺伝子は9q34にマッピングされている)に連鎖があるか、2)endoglin遺伝子のエクソン、アクセプター・ドナー部位、プロモター領域、3'非翻訳領域などを対象に、SNPs(single nucleotide polymorphism)を検索し、3)これらを遺伝マーカーとしたケース・コントロールスタデイにより脳動脈瘤との関連を検索する。4)仮に関連があった場合は、機能解析により動脈瘤発生のメカニズムの糸口を検討する。(結果)1)脳動脈瘤と第9番染色体長椀(9q34)に有意な連鎖は認めなかった。2)以前から報告されていた6塩基のinsertion polymorphismと4つのSNPを用いた関連解析で、脳動脈瘤とendoglin遺伝子に明らかな相関を認めなかった。(結語)以上のことから、日本人でもendoglinは脳動脈瘤感受性遺伝子の可能性は低いと考えられた。
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