2002 Fiscal Year Annual Research Report
脳神経賦活マンガン造影法による脳機能モジュールの三次元磁気共鳴画像解析
Project/Area Number |
14770726
|
Research Institution | Meiji College of Oriental Medicine |
Principal Investigator |
青木 伊知男 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 助手 (10319519)
|
Keywords | 脳機能 / 神経賦活 / マンガン / 核磁気共鳴法 / MRI / MEMRI / 機能モジュール / ラット |
Research Abstract |
本研究の目的は、「脳神経賦活マンガン増強磁気共鳴画像法(AIM MRI)」および「マンガン造影経路トレース法」を改良・最適化し、体性感覚刺激によって賦活されたラットの第一次体性感覚野のカラム構造を画像化すると共に、経路情報を含めた3次元画像解析により、脳機能モジュールの研究に新しい方法論を提供することにある。本年度はAIM MRIの問題点である、1)刺激に依存しない生理的神経賦活による信号の分離、2)麻酔深度による生理的神経賦活のコントロール、3)脳血液関門を開く際に使用するMannitolの再結晶化の防止などを解決するために、新たに動的撮像法と刺激パラダイムを組み合わせた『Dynamic activity-induced manganese-dependent contrast magnetic resonance imaging (DAIM MRI)』を開発し報告した。この新しい手法は、脳神経賦活マンガン造影法を土台に改良され、より微細な構造や賦活を検出する際に問題となった「意図しない信号上昇」を除外可能である事を、グルタメイト投与と前肢電気刺激の2つの刺激系で証明した。さらに、BBBを開くときに生じる浸透圧変化による脳圧変化を調節し、より安定的なAIM MRIの取得に成功した。「マンガン造影経路トレース法」に関しては、1)末梢投与における濃度と投与方法の検討、2)中枢への脳内投与法の予備実験、3)体内埋め込み浸透圧ポンプによる投与実験を行った。また撮像装置に関しては、国内の磁気共鳴画像装置において、1)撮像プローブの改良と最適化、2)撮像シーケンスの選択と最適化、3)ノイズ除去対策の実施を行った。また海外の共同研究機関(米国国立衛生研究所・国立神経疾患梗塞研究所;NINDS, NIH)において、11.7テスラ超高磁場装置でも同様の実験を行い、撮像法と生理条件の最適化を行った。超高磁場装置では3次元撮像で75ミクロン以下の分解能を達成し、鼻粘膜に投与されたマンガントレーサーが、嗅神経を介して嗅球に達する様子を動的に撮像した結果、嗅糸球体など神経の連繋に関わる興味深い画像を得ることに成功した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Aoki I, Tanaka C, Takegami T, Ebisu T, Umeda M, Fukunaga M, FukudaK, Silva AC, Koretsky AP, Naruse S.: "Dynamic activity-induced manganese-dependent contrast magnetic resonance imaging (DAIM MRI)"Magnetic Resonance in Medicine. 48(6). 927-933 (2002)
-
[Publications] Aoki, I., Lin Wu, Y.J., Silva, A.C., Koretsky, A.P.: "Cortical Layers Revealed by Manganese Enhanced Magnetic Resonance Imaging (MEMRI) in the Rat Brain after Systemic Administration"Proceeding of International Society for Magnetic Resonance in Medicine. 1. 715 (2002)