2003 Fiscal Year Annual Research Report
活性化ミクログリアにおけるProtease発現と二次性脳損傷の検討
Project/Area Number |
14770727
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
中村 英剛 近畿大学, 医学部附属病院, 講師 (00268400)
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Keywords | microglin / MMP-9 / MMP-2 / tPA / UPA / UPAR / iNOS / COX-2 |
Research Abstract |
in vitroにおいてLPS/IFN-γ刺激により活性化したミクログリアが発現するproteinaseのmRNA量を定量的RT-PCR法を用いて測定した結果、MMP-9 mRNA・uPARmRNA・iNOSmRNA・COX-2mRNAの発現の増加を認めた。高血圧自然発症ラット(SHR)脳塞栓症モデルにおけるMMP-2、MMP-9の活性の経時的変化と、虚血6時間後にtPAを静脈内投与した場合のMMP-2、MMP-9活性に対するtPAの影響をzymographyを用いて観察した結果、pro-MMP-9、cleaved-MMP-9活性は虚血後6,12,24時間にかけて経時的な上昇を認めた。一方、MMP-2は恒常的に発現しており虚血による明らかな上昇は認めなかった。またtPA投与後6時間におけるpro-MMP-9、cleaved-MMP-9活性は、tPA非投与群に比べそれぞれ有意に高値を示した。MMP-2の活性はtPA投与の有無に影響を受けなかった。 MMP-2、MMP-9は血管基底膜を構成する細胞外マトリックスの1つであるcollagen typeIVを分解するproteinaseであり、活性化ミクログリアではMMP-9活性の増大することが判明したことより、活性化ミクログリアは二次性脳浮腫に関与することが判明した。脳損傷時に出現する活性化ミクログリアもiNOS・COX-2を発現し、脳損傷病態の悪化に関与する可能性があると考えられる。tPA投与により出血性合併症併発の危険性上昇が指摘されており、このtPA投与後の出血性合併症にMMP-9が関与することが示唆された。
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Research Products
(1 results)