2002 Fiscal Year Annual Research Report
Maf系bZip転写因子のバイオロジーと金(Au)製剤の抗リウマチ作用機構
Project/Area Number |
14770728
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
片岡 浩介 東京工業大学, フロンティア創造共同研究センター, 助手 (20262074)
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Keywords | リウマチ性関節炎 / 酸化ストレス / グルコース / インスリン |
Research Abstract |
これまでに、抗リウマチ作用を持つ金(Au)を含む化合物が、細胞の酸化ストレス感知システムの重要な一部をなすbZip型転写因子Nrf2/Small Mafを活性化することにより、ヘムオキシゲナーゼなどの一群の抗酸化ストレス遺伝子群を発現誘導することをあきらかにしてきた。このことが、金(Au)製剤が抗リウマチ作用を発揮する上での重要な機構の一部を担っていることが示唆されている.これに加えて、本年度は、細胞に酸化的なストレスを与えると言われているグルコースによって、やはりbZip転写因子に属するMaf関連タンパク質のメンバーであるMafAの活性が制御を受けていることをあらたに見い出し、このメカニズムと意義を追究した。 MafAは新規に発見したMafファミリー因子のひとつで、膵臓のベータ細胞に非常に限局して発現しており、インスリン遺伝子の細胞特異的・血糖(グルコース濃度)依存的な転写制御において中心的な役割を果たす転写因子であることがわかった.さらに、MafAの活性は、それ自体の転写レベルと、タンパク質の安定性やリン酸化などの複数の段階で、グルコースによって厳密に制御されていることを見いだした.これらの事実は、Maf系のbZip転写因子群が、さまざまな細胞外のストレスを感知する転写因子として機能的な分担をしており、それぞれ特異的な役割を果たしていることを強く示唆していると思われ、MafAおよびNrf2/Small Mafがそれぞれのストレスを感知する分子メカニズムをさらに追究中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Kataoka et al.: "MafA is a glucose-regulated and pancreatic beta-cell-specific transcriptional activator for the insulin gene"J. Biol. Chem.. 277. 49903-49910 (2002)
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[Publications] T.Nishi et al.: "Spatial redox regulation of a critical cysteine residue of NF-kB in vivo"J. Biol. Chem.. 277. 44548-44546 (2002)
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[Publications] C.Sawa et al.: "YEAF1/RYBP and YAF-2 are functionally distinct members of a cofactor family for YY1 and E4TF1/hGABP transcription factors"J. Biol. Chem.. 277. 22484-22490 (2002)
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[Publications] Nishimura K, et al.: "4℃ preparation of ferrite nanoparticles having protein molecules immobilized on their surfaces"J. Appl. Phys.. 91. 8555-8556 (2002)
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[Publications] K.Kataoka et al.: "Induction of cellular anti-oxidative stress genes through heterodimeric transcription factor Nrf2/Small Maf by anti-rheumatic gold(I) compounds"J. Biol. Chem.. 276. 34074-34081 (2001)
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[Publications] K.Kataoka et al.: "Maf and Jun nuclear oncoproteins share downstream target genes for inducing cell transformation"J. Biol. Chem.. 276. 36849-36856 (2001)