2003 Fiscal Year Annual Research Report
骨代謝におけるリン酸代謝関連遺伝子ヌクレオチドピロフォスファターゼに関する研究
Project/Area Number |
14770731
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中村 功 信州大学, 医学部附属病院, 助手 (20334906)
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Keywords | NPPS / nucleotide pyrophosphtase / 転写活性 / OPLL |
Research Abstract |
我々はOPLLのモデルマウスであるttwマウスの遺伝子解析を行い、その原因がmouse nucleotide pyrophosphtase(Npps)の変異にあることを明らかにした。そして、ヒトOPLL患者においてhuman NPPS遺伝子の変異を検索し、OPLL発症との間に有意な相関があることを既に報告した。 この様な経過からnucleotide pyrophosphtaseが異所性の靭帯骨化や骨代謝に関与することは明らかであるが、そのメカニズムについては現在でも不明な点が多い。そこで、nucleotide pyrophosphtaseがどのようなメカニズムで異所性靱帯骨化のリスクを増加させているかについて検討した。 human NPPS遺伝子のpromoter領域約1Kbを転写活性解析用のプラスミド(pGL3、Promega社)に組み込んだものを作製、更に-596(C→T)の変異型および約1Kb〜約50b間での様々なdeletion constructを作製した。これらのプラスミドをHepG2細胞にtransfectionし、培養液中のリン酸塩濃度や基質となるヌクレオチドの濃度を変化させてhuman NPPS遺伝子の転写活性について検討した。 基質となるヌクレオチドの濃度をあげると野生型では転写活性が低下する傾向があった。また、培養液中のリン酸塩濃度を変化させて野生型と変異型の転写活性を検討すると、リン酸塩濃度によらず変異型では野生型に比べ転写活性が低い傾向があった。これは、human NPPS遺伝子の変異が転写活性を低下させ、更にはnucleotide pyrophosphatase活性の低下を来たし、最終的にOPLLなどの異所性靱帯骨化発症をきたす、という可能性を支持していると考えることができる。 今後、更に詳細な機能解析を行う予定である。
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