2004 Fiscal Year Annual Research Report
同種骨移植分野における凍結乾燥骨の病理組織学的及び強度研究と生着能の改善
Project/Area Number |
14770737
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
加来 信広 大分大学, 医学部, 助手 (10315335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津村 弘 大分大学, 医学部, 助教授 (30188627)
片岡 晶志 大分大学, 医学部, 助教授 (40301379)
鳥巣 岳彦 大分大学, 医学部, 教授 (70145382)
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Keywords | 同種骨移植 / 凍結乾燥骨 / 病理組織学 / 強度研究 / 生着能 |
Research Abstract |
○力学的強度試験の方法 コントロール群とEOGまた低温プラズマ滅菌処理骨群を比較検討した。捻り曲げ試験では対照群と比較してEOG群が平均59.0%まで減少し、低温プラズマ群で60.1%であった。また圧縮試験においては対照群と比較してEOG群で平均72.3%まで減少し、低温プラズマ群で73.9%であった。EOG群と低温プラズマ群間での統計学的有意差は認めなかった。 ○移植骨の骨生着能向上への実験 移植骨をbone morphogenetic protein (BMP)のキャリアーとし、組織学的、力学的に上記で記した内容をコントロール群と経時的(1週、3週、6週目)の比較検討した。移植骨は保水性がないためキャリアーとして不向きであるので、その対策としてフィブリンのりを使用し、BMPは半減期が短いため皮膚表面から経時的に注射補填した。しかしBMPをうまくキャリアーのフィブリンのりに集中して浸透させることは手技的に困難であり、移植骨外に漏れることが殆どで、この実験に関してはまだ正確な結果を詳細に出すまでには至っていない。 ○80℃加熱処理骨の実験的、臨床的検討 凍結乾燥骨の実験的検討を行う一方で、現在臨床で一般的に使用されている加熱処理骨についても、処理後の骨強度や病理組織像についても検討した。60℃で30分、80℃で10分と100℃5分で処理した骨をウサギに移植後、2、4、8週後に取り出してH.E染色後、血管新生や添加骨形成を画像分析し、評価した。その結果、最も良好な血管新生や添加骨形成が見られたのは60℃で10分、比較的良かったのは80℃で10分であったが、100℃5分は対照群(処理なしの自家骨移植)の40%以下であった。また骨強度に関しても、圧縮試験において、60℃30分処理の場合、移植前で97.3%、移植後18週で63.5%、48週で94.5%に回復していた。一方、100℃5分は48週目で対照群の60.1%であった。捻り曲げ試験でも同様の結果であった。これらのことから、60℃で加熱処理することが最も効果的であると思われる。
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Research Products
(6 results)