2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14770739
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
長嶺 順信 琉球大学, 医学部, 助手 (50336369)
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Keywords | 神経欠損 / 緩徐伸展法 / 再生軸策面積 / 機能回復 |
Research Abstract |
外傷や腫瘍切除などにより末梢神経が欠損し直接縫合が不可能な例に対しては自家神経移植術が行われている。しかし、自家神経移植術では縫合部が2カ所となり瘢痕組織による再生神経の伸長が阻害されるため縫合例に比べて機能回復は劣り,自家神経採取部に知覚低下が残る。神経欠損例でも関節を屈曲させることにより直接縫合が可能となる。術後、徐々に関節を伸展し縫合した神経を延長することができれば緊張下に神経移植を行った場合に比べて、優れた治療成績を得られる可能性がある。このことを実験的に証明するためにラット脛骨神経に欠損を作成した後に膝関節を屈曲し神経直接縫合を行い、再生繊維が縫合部をこえる2週後より膝関節を5°/日伸展した関節屈曲位固定・緩徐伸展群(2週固定・伸展群)の歩行解析を行い神経移植群と同等の機能回復が得られた。 今回はさらに切除神経の断端部を直接縫合すると神経束のbucklingを起こしやすいため、断端部を直接縫合しない方法で神経再生の評価を行う。神経再生を阻害しない関節伸展の開始時期と至適関節伸展速度(角度/日)を決定するために以下の実験を行った。 <方法> 12週齢、体重約350gの雄Wister系ラットの左脛骨神経を6mm切除し、膝関節を130°屈曲する。切除神経の断端部から離れた部位をシリコンシートに固定し断端部は縫合せずシリコンシートで被覆する。術後2週間創外固定器を用い固定し、その後毎日5°ずつ12日間膝関節を伸展した非縫合・伸展群を作製した。 術後4、8、12、16、24週で歩行解析(TFI : Tibial function index)を行い、術後12週で神経採取しトルイジンブルー染色を加えた横断切片から神経線維軸索数と面積を測定した。 <結果> (1)非縫合・伸展群は術後16および24週で2週固定・伸展群、神経移植群に比べて有意差を認めない程の良好な回復を示した。術後4、8、12においては非縫合・伸展群は2週固定・伸展群、神経移植群に比べ有意に回復が劣っていた。 (2)平均再生軸索数は、非縫合・伸展群が2週固定・伸展群および神経移植群と比べて有意差を認めなかった。平均再生軸索面積は、非縫合・伸展群が2週固定・伸展群および神経移植群に比べて有意に小さかった。
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