2004 Fiscal Year Annual Research Report
特発性大腿骨頭壊死症に対する骨髄幹細胞移植の効果-骨壊死モデル家兎を用いて-
Project/Area Number |
14770754
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
和田 孝彦 関西医科大学, 医学部, 助手 (40309258)
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Keywords | 特発生骨壊死 / 骨髄移植 / ステロイド性骨壊死家ウサギ(ウサギ) |
Research Abstract |
近年、骨髄間葉系幹細胞が種々の細胞に分化することが報告され、臨床にも応用されている。我々はステロイド性骨壊死家兎を用いて骨髄間葉系細胞移植の効果を検討した。 対象は体重3.0〜4.0kgの成熟・雄・日本白色家兎37羽で、自家骨髄を採取・培養・移植したモデルを骨髄移植モデルとして12羽作成した。またコントロール群として、何も移植していないモデルを壊死確認モデルとして15羽・生理食塩水(以下 生食)を移植したモデルを生食移植モデルとして10羽作成した。 方法は各モデルともにMethylprednisolone sodium succinate(以下MPSL) 20mg/kgを1回のみ右殿筋内に注射した。続いて骨髄移植モデルでは筋注後2日後に左大腿骨より吸引法にて骨髄液2.5mlを採取・培養し、筋注後1週間目に培養皿底の付着細胞3×10^5を生食0.5mlに混濁して右大腿骨に移植した。筋注後4週間経過時に屠殺し右大腿骨を採取した。壊死確認モデルは筋注後4週間経過時に屠殺し右大腿骨を採取した。生食移植モデルは筋注後1週間経過時に右大腿骨へ生食0.5mlを移植した。筋注後4週間経過時に屠殺し右大腿骨を採取した。採取した大腿骨をHE標本とし近位部・遠位部に突き光学顕微鏡下に評価・検討した。 結果は壊死確認モデル15羽のうち近位部7羽(46.7%)・遠位部7羽(46.7%)で骨壊死の発生を認めた。また生食移植モデル10羽のうち近位部4羽(40%)・遠位部2羽(20%)に骨壊死の発生を認めた。一方骨髄移植モデルでは遠位部1羽(8.3%)にのみ骨壊死発生を認め近位部には壊死の発生を認めず、骨髄移植モデルとコントロール群との間で壊死発生率の明らかな差を認めた。 今回の実験より自家骨髄細胞移植が骨壊死の治療に応用できる可能性が示唆された。
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