小児手術後の心的外傷の有無及び麻酔手技との関連についてのアンケート調査

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14770793
• Research Institution: Jikei University School of Medicine
• Principal Investigator: 赤井 良太 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (40297362)
• Keywords: 小児麻酔 / ストレス反応 / アンケート

Research Abstract

今年度実施内容概要:小児の手術・麻酔による心的外傷含む精神的ストレス発生について、その発生頻度、持続時間及び予測因子を術後アンケートにより調査。当初、今年度でほぼアンケート送付を終える予定であったが、回答率低く、再送付及び症例数の追加を引き続き行っている。
研究実施計画の展開及び成果について:対象の一つである内科疾患群の症例数が少なく、加えて回答率が著しく低い。再送付を行っているが、場合によっては手術症例群のみで多変量解析を行う予定である。また独立変数となる関係因子については以下の(1)〜(9)に変更した。(1)年齢(2)性(3)兄弟の有無(4)親付き添い入院の有無(5)患児の術前不安:mYPASからClinical Anxiety Rating Scale(CARS)による6段階評価に変更(6)術後痛:口頭式評価スケールおよびVASにて評価(7)術後鎮痛薬使用回数(8)手術回数(9)手術の種類。尚、予定していた親の不安評価については、実施できなかった例が多かったため除外した。成果については、アンケート回答を収集している段階であるので明らかな予測因子を挙げることはできないが、現時点で示唆される所見は、手術からの時間経過により有意にストレス度低下、手術回数とストレス度の相関の2点である。術後の短期的行動変化(周術期の精神的ストレスを反映)における先行研究では、予測因子として術前不安と術後痛がよく挙げられるが、本調査では今のところ相関を諦めていない。年齢に関しては、高年齢はストレス度は低いようである。引き続き調査を行い、来年度十分な症例数を持って判断したいと考える。