2002 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素応答転写因子HIF-2αと膀胱癌の進展との関係
Project/Area Number |
14770799
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
兵地 信彦 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (30275896)
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Keywords | 膀胱癌 / 低酸素応答転写因子 |
Research Abstract |
平成14年度は、過去に当院で治療を行った膀胱癌患者の膀胱全摘手術標本から薄切切片を作成して、免疫組織染色法を用いてHIF-2αの発現を検討した。HIF-2αが血管新生を亢進し膀胱癌の浸潤・転移に関与している可能性を検討するため、組織学的に悪性度が高く筋層浸潤を有する浸潤性膀胱癌を研究対象とした。また、免疫組織学的検討は、HIF-2αに対するポリクローナル抗体を用いて行った。これまでの検討で、HIF-2αが膀胱癌の浸潤部で高頻度に発現していることが判明した。また、特に悪性度の高い膀胱癌では浸潤部にCD-68陽性のマクロファージが増加しており、さらにそのマクロファージにHIF-2αの強発現が認められることが判明した。以上の結果をもとに、HIF-2αの発現と生命予後との相関を解析したところ、HIF-2αの発現している膀胱癌患者では予後不良である傾向が見られた。また、浸潤部マクロファージにおけるHIF-2αの発現が高い膀胱癌ほど予後不良の傾向があり、HIF-2α陽性マクロファージが癌の進展に関与している可能性が示唆された。 平成15年度は、比較的悪性度の低い浸潤癌や表在癌も研究対象として症例を増やして検討し、HIF-2αの発現が新たな膀胱癌の予後不良因子となりうるかについての統計学的に解析する。また、別の低酸素応答転写因子であるHIF-1αやARNT、さらに血管新生腫瘍因子についても検討を加える。
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