2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14770815
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
江本 昭雄 大分医科大学, 医学部, 助手 (60305050)
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Keywords | 前立腺癌 / リンパ管新生因子 / リンパ節転移 / 低酸素 |
Research Abstract |
前立腺癌患者で前立腺全摘術、骨盤内リンパ節郭清術を施行した症例に対してリンパ管新生因子のひとつといわれているVEGF-C、-Dに対する抗体を用いて免疫染色を施行し、リンパ節転移の有無とVEGF-C、-Dとの発現について検討した。またVEGF-C、-Dと同じfamilyであるVEGF-Aは低酸素条件下で誘導されるといわれている。そこでリンパ管新生因子といわれているVEGF-B、-C、-D加えた4種類について、前立腺癌細胞株であるPC-3、LN-Capを低酸素条件下で培養し、total RNAを抽出したのち、リアルタイムPCR法を用いてRNAレベルでの発現変化について検討した。 当科で前立腺全摘術を施行し、リンパ節郭清術を施行した症例のうち、リンパ節転移を認めた症例は5例であり、リンパ節転移が無かった症例より無作為に5例を抽出し、免疫染色を施行した。VEGF-Cではリンパ節転移を認めた症例のうち2例は弱陽性であり3例は陰性であった。リンパ節転移が無かった症例のうち3例が弱陽性であり2例が陰性であった。VEGF-Dについてはリンパ節転移を認めた症例のうち1例は強陽性であり、2例が弱陽性、2例が陰性であった。リンパ節転移が無かった症例のうち3例は弱陽性、2例が陰性であった。低酸素条件下の実験ではVEGF-AはPC-3、LN-Capそれぞれで7.3倍、20.5倍の発現増加が認められたが、他の因子の発現増加は1.3倍以内であった。 今回はリンパ節転移とVEGF-C、-Dとの発現について明らかな関与は示唆されなかった。
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