2003 Fiscal Year Annual Research Report
抗T細胞抗体と骨髄非破壊性同種骨髄移植を併用した免疫寛容誘導のための研究
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14770829
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
尾本 和也 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (90343558)
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Keywords | 移植免疫 / 免疫寛容 / 同種骨髄移植 / マウス / キメラ / 抗T細胞抗体 |
Research Abstract |
1.MHC、マイナー抗原の異なるマウスの組み合わせにおいて、抗T細胞抗体、抗腫瘍剤、ドナーの骨髄移植を投与することで、(1)全てを投与した群で30-60%のキメラ(ドナー細胞がレシピエント体内に混在する状態)を呈した。 (2)このキメラは抗体+骨髄移植、あるいは抗腫瘍剤+骨髄移植の群では認められなかった。 (3)キメラの内容としてはドナー由来のT細胞、B細胞、マクロファージが存在した。 2.MHC、マイナー抗原の異なるマウスの組み合わせにおいて、抗T細胞抗体、抗腫瘍剤、ドナーの骨髄移植を投与し、ドナー皮膚移植を行うことで、(1)全てを投与した群のマウス6匹中5匹において120日以上ドナー皮膚移植片の生着を認めた。 (2)全てを投与した群のマウス5匹においてドナーと異なるthird partyの皮膚移植を行うと全例が拒絶され、ドナーに対して免疫寛容が誘導されていることが証明された。 (3)移植後120日目のマウスにおいて胸腺中にもドナー細胞が認められ、末梢血中のドナー反応性のT細胞が消去されており、胸腺におけるドナー反応性T細胞のnegative selectionが起こっていると考えられた。 (4)ドナー、third partyに対する混合リンパ球反応を調べたところ、ドナー特異的に反応が低下しており、in vitroにおいても免疫寛容誘導が示唆された。 (5)この系における副作用の検討ではコントロール群と比較して、抗腫瘍剤投与後4日目までは有意な体重減少が認められたが、それ以降は差がなかった。 (6)ドナー由来のT細胞を認めるが、明らかなGVHDの所見はなく、移植後130日経過したドナー皮膚片も組織学的な異常は認められなかった。
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