2002 Fiscal Year Annual Research Report
非自己認識分子のクローニングと、同分子抗体による移植後免疫学的寛容の誘導
Project/Area Number |
14770832
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
日下 守 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (40309141)
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Keywords | 免疫寛容 / マクロファージ / 臓器移植 |
Research Abstract |
腹腔内細胞移植と皮膚移植のモデルにおいて、移植片拒絶反応の開始点である"非自己の認識"および"細胞傷害"の過程で主体となる細胞は、従来考えられてきたT細胞などのリンパ系細胞ではなく、マクロファージ系の細胞であり、この細胞は移植細胞特異的に細胞傷害活性を示すこと、また、抗体などを介さないで移植細胞を殺す全く新しいタイプのマクロファージであることが明らかになった。一方で実際に臨床で行われる臓器移植と細胞移植や皮膚移植とでは拒絶反応の発症パターンが異なる可能性が示唆され、今回マウスの心移植モデルを用いて解析を行う事とした。当初は、通常のマウスをdonorとする予定であったが、心筋細胞をターゲットとしての心筋細胞傷害活性を見る上でdonorの条件変更が必要となったため、donorを新生児とし、recipientの耳介に移植を行うモデルに計画を変更した。 この変更したモデルから、実際に実験計画のごとく(BALB/c-C57BL/6)間の心移植を行い、移植心をホモジネートし、浸潤細胞をセルソーターを用いて分離、採取し、移植片への各種細胞浸潤細胞をエフェクター、naiveのC57BL/6マウス(レシピエント)の心筋細胞をターゲットとしてincubateし、どの細胞が心筋細胞を傷害するかを同定するという実験をすすめている。 すでに我々は、細胞移植、皮膚移植においては移植細胞に対する傷害活性を阻害するモノクローナル抗体を作成しているが、このマウスの心移植モデルにおいてもこのモノクローナル抗体を作成する予定である。これらの移植実験と並行して我々は、LightCyclerを用いたReal-time PCRの実験系を立ち上げた。特にBax,Bcl-2,caspase-3,Badといったapotosis signalに関して実験系を立ち上げ、これらのdataを今回のACT(米国移植学会)に報告予定である。
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