2002 Fiscal Year Annual Research Report
gp130を介する細胞内シグナルからみた着床機構の解明
Project/Area Number |
14770850
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
吉田 壮一 鳥取大学, 医学部附属病院, 助手 (70304219)
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Keywords | gp130 / IL-6 / IL-11 / LIF / OSM / BeWo / 着床 / STAT |
Research Abstract |
本研究は、細胞内シグナル伝達にglycoprotein 130(gp 130)を介するサイトカインであるinterleukin(IL)-6ファミリーのトロホブラストにおける、細胞内シグナルと作用発現の違いを検討した。 ヒトトロホブラストのモデルとして絨毛癌細胞株BeWo細胞を対象とした。検討を行ったIL-6ファミリーのサイトカインであるIL-6、IL-11、leukemia inhibitory factor(LIF)、Oncostatin M(OSM)の受容体のリガンド結合サブユニットとgp 130の遺伝子発現をRT-PCR法にて検索した。等量の分子量の各サイトカインを添加し、細胞増殖に及ぼす影響をMTTアッセイにより、gp 130を介する主なシグナル伝達系路であるSTAT1,3,5のリン酸化をWestern blot法により検討した。 BeWo細胞において全ての受容体発現がみられた。OSMの添加でのみ有意な増殖促進効果が認められた。いずれのサイトカインにおいてもSTAT1,3,5のリン酸化が観察された。リン酸化の程度はマウス胚の着床に重要であるLIFと同様にOSMでは、IL-6およびIL-11比較してSTAT1と3では強く、STAT5では弱かった。さらにOSMはSTAT1と3でLIFよりも強いリン酸化を誘導した。 以上より、未だ報告の少ないOSMが着床過程において重要な役割を果たしている可能性が示された。現在、培養したヒトトロホブラストを用いてさらに検討中である。
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