2002 Fiscal Year Annual Research Report
子宮頸癌における新しいバイオ・マーカーに関する有用性の検討
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14770866
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
舛本 暢生 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90306829)
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Keywords | 子宮頸癌 / ヒトパピローマウイルス / p16蛋白質 / RB蛋白質 / E7蛋白質 |
Research Abstract |
子宮頸癌や前癌病変である異形成においては、90%以上の頻度でヒトパピローマウイルス(HPV)感染が認められる。このウイルス由来のE7蛋白質は癌抑制遺伝子産物であるRB蛋白質に強く結合する結果、転写因子E2FがRB蛋白質から離開し、細胞周期を持続的に回転させることにより、発癌や癌の進展に関与していると考えられている。近年、E2Fは細胞周期関連蛋白質であるP16蛋白質の発現を誘導することが明らかとなり、RB蛋白質に結合していない活性型のE2Fの発現量をP16蛋白質の発現量を指標として解析することが可能となった。現在、子宮頸部の扁平上皮系病変に関しては、異形成から扁平上皮癌においてP16蛋白質の過剰発現が報告されている。一方、子宮頸部腺癌の発癌機構についてはHPV感染の関与が議論されているものの、いまだ結論が出されていない。そこで子宮頸部腺系病変に対し、P16蛋白質の過剰発現およびHPV感染の有無について解析し、発癌機構におけるHPV感染の関与について検討した。子宮頸部腺系病変の生検組織81例(上皮内腺癌11例、腺癌62例、腺扁平上皮癌8例)のパラフィン包埋切片を対象とし、抗p16モノクローナル抗体を用い免疫組織化学染色を行ったところ、p16蛋白質の過剰発現は上皮内腺癌10/11例(90.9%)、腺癌54/62例(87.1%)、腺扁平上皮癌7/8例(87.5%)において認められた。子宮頸部腺系病変では高率にp16蛋白質の過剰発現が認められたことから、扁平上皮病変同様にHPVのE7蛋白質によりRB蛋白質の失活を介する発癌経路が重要であることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 舛本暢生, 藤井多久磨, 石川光也: "モノレーヤー標本作製法に用いる細胞浮遊液はHPV-DNA検出に応用可能か?"日本産科婦人科学会雑誌. 55巻2号. 323 (2003)
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[Publications] 舛本暢生, 藤井多久磨, 斎藤深雪: "細胞浮遊液検体を用いた細胞診標本作製法とHPV-DNA検出法の検討"日本臨床細胞学会雑誌. 41巻supple.2. 478 (2002)
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[Publications] 舛本暢生, 藤井多久磨, 石川光也: "細胞診用液状検体を用いたHPV-DNA検出法の検討"日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報. 39巻2号. 120 (2002)
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[Publications] 石川光也, 藤井多久磨, 斎藤深雪, 舛本暢生: "HPV感染を指標とした子宮頸部腺癌におけるp16INK4a蛋白質の過剰発現に関する検討"日本臨床細胞学会雑誌. 41巻supple.1. 100 (2002)
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[Publications] 舛本暢生, 藤井多久磨, 森定徹: "細胞浮遊液検体を用いた細胞診標本の診断的有用性とHPV-DNA検出能・型判定能に関する検討"日本産科婦人科学会雑誌. 54巻2号. 481 (2002)
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[Publications] 舛本暢生, 藤井多久磨, 野澤志朗: "Sentinel Node Navigation -癌治療への新しい展開-"金原出版. 296 (2002)