2002 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部癌の超選択的動注施行例における分子生物学的予後因子の検索
Project/Area Number |
14770878
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
本間 明宏 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30312359)
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Keywords | 頭頸部癌 / 放射線化学療法 / 超選択的動注 / cDNAアレイ / 予後因子 / 組織マイクロアレイ |
Research Abstract |
頭頸部癌進行例35例に対して大量のシスプラチンの超選択的動注と照射との併用療法(以下RADPLAT)を行った。性別は男性26例、女性9例で、年齢33〜71歳(中央値54歳)である。症例の内訳はT2b:1例、T3:16例、T4:18例、ステージII:1例、III:7例、IV:27例で、そのうち臨床的に手術不能と考えられたのが15例(42.8%)、手術拒否例が20例(57.1%)であった。病理組織は扁平上皮癌31例、腺様嚢胞癌2例、未分化癌2例であった。原発部位は鼻副鼻腔14例、下咽頭7例、中咽頭7例、口腔4例、耳下腺1例、上咽頭1例、聴器1例で、動注は35例に対して117回(平均3.3回)行った。現在までの生存例の観察期間は4ヶ月〜41ヶ月(平均18ヶ月)であるが、非担癌生存20例(57.1%)、原病死11例(31.4%)、担癌生存3例(8.6%)、他病死1例(2.9%)であった。Kaplan-Meier法による2年生存率は53.3%であった。 RADPLATによって原発巣が制御されたのは27例(77.1%)であった。リンパ節転移については3cm以上のリンパ節に対しては動注を行っているが、RADPLATで制御されたのがN(+)例18例中11例(61.1%)、手術で制御されたのが3例(16.7%)あった。 cDNAマイクロアレイを用い既知遺伝子約1000種類から、RADPLATを行なった鼻副鼻腔癌患者における正常鼻粘膜組織、異形成上皮、癌組織の遺伝子発現の変異を解析した。異形成上皮では正常組識細胞に比べ4倍以上発現が亢進したものが8種類、抑制されたものが27種類であった。癌組織では亢進が7種類、抑制が25種類であり、うち3種の遺伝子(Humig, diubiquitin, transcription factor ISGF-3)の発現が癌組織において特異的に亢進しており、RT-PCR法を用いてその発現の差異を確認した。これらの遺伝子の頭頸部癌における発現の報告は少なく、今回の結果の意義を検討するとともに、さらに症例を積み重ね検証し考察を進めていく予定である。
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Research Products
(2 results)