2003 Fiscal Year Annual Research Report
下咽頭癌リンパ節転移に対する免疫組織学的・分子生物学的研究
Project/Area Number |
14770887
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
持木 将人 帝京大学, 医学部, 助手 (40332613)
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Keywords | 下咽頭癌 / 頚部リンパ節転移 / 予後因子 |
Research Abstract |
本研究は下咽頭癌の予後を予見するべく、その免疾組織学的・分子生物学的な腫瘍特性を検討するものである。 そのため、まず下咽頭癌の予後を規定する因子を明確にするため、当院の症例を用いてretrospectiveに臨床的検討を行った。検討にはCox proportional hazad modelを用いた。1986年から2000年までの間に当院を初診した未治療の下咽頭癌症例は157例あり、それらに対して25の因子(臨床的・治療的・病理学的)を用いて検討した。その結果、Survivalに有意に関連する因子はM、N、T分類及び、病理学的リンパ節転移の数、リンパ管浸潤の有無、血管浸潤の有無、Level IVのリンパ節への浸潤の有無、positives surgical marginであった。またlocal recurrenceに相関する因子は主にtreatment modalityに関連する因子であり、臨床的因子、病理学胞因子には有意なものはなかった。nodal recurrenceに相関する因子は主にN-related factorで特にN分類、リンパ管浸潤の有無に強く相関した。また、distant recurrenceにはT、N分類と病理学的転移陽性リンパ節の数、甲状腺浸潤の有無が相関した。 初回再発部位として遠隔転移が最多であり、それがそのまま死因となっている。そのため予後の改善のためには、上記の事から原発巣がT>2、もしくはN>0、病理学的転移陽性リンパ節の個数>2のどれかに当てはまれば化学療法等の全身療法の適応とするべきであると結論した。 これらのデータを元に免疫組織学的・分子生物学的結果との相関を見るため、現在抗Cox-2抗体、抗VEGF抗体等を用いた免疫組織学的検討を継続中である。
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Research Products
(1 results)