2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14770922
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
茂呂 和久 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30317226)
|
Keywords | 遺伝子治療 / 神経栄養因子 / 反回神経麻痺 |
Research Abstract |
反回神経挫滅モデルのmotor unit各部位へのreporter遺伝子(LacZ遺伝子)導入の検討 Sprague-Dawleyラットを用いて、ケタミン・キシラジン腹腔麻酔下に頚部皮膚を切開後、左反回神経を喉頭侵入部より1cm手前で止血用鉗子を使用して短時間圧迫することにより、反回神経挫滅モデルを作製した。一方、LacZ遺伝子を含みアデノウイルスゲノムからE1A、E1B、E3遺伝子を欠損したウイルスDNAを持つ発現コスミドカセットDNAと、親ウイルス,DNA-末端蛋白複合体(TPC)を293細胞にco-transfectし組み換えアデノウイルス(AxCAhLacZ)を作製する。反回神経挫滅直後にハミルトンシリンジを用いて、作製したreporter遺伝子(LacZ遺伝子)を含む非増殖型アデノウイルスベクター(AxCAhLacZ)をmotor unit各部位で導入した。導入部位としては、(1)挫滅部位より中枢側の軸索(2)挫滅部位軸索(3)喉頭筋の3ヶ所である。導入後2、4、8週後に(1)運動神経細胞(2)軸索(3)筋肉を含む部位を潅流固定後に摘出し、凍結組織切片を作製した。各組織切片をX-gal染色および抗β-galactosidase抗体を用いて免疫染色を施行し、各々での遺伝子発現強度や発現持続期間などを観察した。その結果、非増殖型アデノウイルスベクター(AxCAhLacZ)は各箇所において導入に成功した。またその発現は、凍結組織切片の免疫染色により導入後8週間まで持続する事が確認できた。今後はさらに、治療遺伝子を導入によりその発現効果などを確認する予定である。
|