2002 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞及び腫瘍細胞による融合細胞を用いた腫瘍特異的免疫応答の誘導
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14770924
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
田中 康広 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (40266648)
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Keywords | 融合細胞 / アロ反応 / 樹状細胞 / 腫瘍特異的免疫応答 / MUC1 |
Research Abstract |
今年度我々は頭頸部領域の悪性腫瘍に対する樹状細胞および腫瘍細胞による融合細胞を用いた際の免疫誘導能について、主にマウスを用いて検討行った。更に、アロ反応を利用した免疫能増強効果の検討も同時に行っている。 具体的にDBA/2マウス由来の扁平上皮癌細胞株(KLN205)と同系(DBA/2)及び異系(C57BL/6)マウスの骨髄より採取された樹状細胞から融合細胞の作製が可能か検討を行った。その結果、同系マウスから作製された融合細胞はMHCクラスI分子としてH2-D^dのみを発現するのに対し、異系マウスから作製された融合細胞はH2-D^b及び腫瘍由来のH2-D^dを発現することがフローサイトメトリーの結果より明らかとなった。また、同系及び異系マウスから作製された融合細胞は樹状細胞由来と考えられるMHCクラスII及びCD54,CD80,CD86などの共刺激分子を発現することが確認された。これらの結果より、腫瘍細胞とそれに対する同系及び異系マウス由来の樹状細胞から融合細胞の作製が可能であり、腫瘍及び樹状細胞由来の細胞表面抗原は融合細胞表面に発現されることが判明した。しかし、KLN205細胞が発現する腫瘍抗原は不明であるため、今後腫瘍抗原としてMUC1をKLN205細胞に遺伝子導入し、融合細胞を作製させた際の融合細胞におけるMUC1の発現を確認する予定である。更にMUC1に対する腫瘍抗原特異的な免疫誘導能に関しても、in vivoならびにin vitroで検討を行う。 現在、同系ならびに異系マウスの樹状細胞より得られた融合細胞と腫瘍細胞単独もしくは樹状細胞単独によるTリンパ球に対する増殖誘導能をMLR(mixed lymphocyte reaction)アッセイを用いて比較検討しているところである。
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