2004 Fiscal Year Annual Research Report
外リンパ特異的蛋白を用いた新らしい外リンパ瘻診断法の開発
Project/Area Number |
14770928
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
齋藤 明彦 日本医科大学, 医学部, 助手 (30318498)
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Keywords | 外リンパ瘻 / ウェスタンブロッティング / 診断試薬 |
Research Abstract |
外リンパ瘻の生化学的診断法の開発に関する報告は数多い。なかでもβ2 Transferrin(髄液瘻の診断蛋白としてすでに確立し普及している)は、もっとも信頼性の高いものと思われてきた。しかしながらRauchは2000年により精度の高い検査法で20検体の外リンパを検査し、陽性は1例も無かったと報告した。現在はβ2 Transferrinは外リンパ瘻を診断することは出来ないと考えられている。 一方、我々は、内耳蛋白のプロテオーム解析を行い、ヒト外リンパ中にCochlin-Tomoprotein (CTP)が存在することをつきとめた。 今回、臨床サンプルにCTPが含まれているかどうか検討した。その結果、ヒト外リンパ(人工内耳、アブミ骨手術、半規管瘻孔の術中に得られたサンプル)では30例中全症例明らかな陽性だった。アブミ骨開窓術直前の中耳洗浄液、慢性中耳炎、滲出性中耳炎など合計15症例は全例陰性だった。また、脳脊髄液、血液、唾液にも陰性であった。我々のデーターはCTPが外リンパ特異的であり、しかも外リンパ中のCTP陽性率が100%であることを示している。この結果は外リンパ瘻の診断に非常に有用であることを示している。現在さらに制度を高めるために基礎的・臨床的検討を進めている。
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