2002 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー性鼻炎モデル動物における抗原の経口投与とNALTの関連性について
Project/Area Number |
14770933
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
寺田 哲也 大阪医科大学, 医学部, 助手 (60343670)
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Keywords | スギ花粉症 / マウス / 経口免疫寛容 / NALT |
Research Abstract |
我々はヒトの病態に極めて類似した症状を示すモルモット.スギ花粉症モデルを用いた実験を行い、スギ花粉の反復経口投与が、反応惹起後に発現するくしゃみ、2相性の鼻閉ならび鼻粘膜過敏性を抑制することを明らかにしてきた。しかし、花粉抗原の認知から抗体産生にかけてはモルモットを用いての解明は困難であり、既にスギ特異的IgE抗体が上昇することを確認したBDF1マウスによる経鼻感作実験系が本実験には必要である。 マウス40匹を経鼻感作後、スギ花粉経口投与群(1mg/animal経口投与群10匹、10mg/animal経口投与群10匹)、感作後生理食塩水経口投与群10匹、非感作非経口投与群10匹に分けた。週1回のスギ花粉抗原の経鼻惹起と週2回のスギ花粉の経口投与を4週間行った後に断頭し鼻粘膜とNALT組織を採取した。尚、ELISA法により、感作後生理食塩水経口投与群において、血清中のスギ花粉特異的IgE抗体の上昇を確認した。MACSを用いて、採取したマウスのNALT中のT cellを分離、精製し、そのT cellを抗原刺激し、Proliferation responseを測定する予定である。経口免疫寛容による調節性T cellがNALTおよび鼻粘膜に誘導されうるのか、または誘導されるならその作用は抗原特異的であるのかを明らかに出来ると考えられる。 次に、経口免疫寛容を誘導したマウスのNALTおよび鼻粘膜中のT cellを抗原の経口投与を行っていない感作マウスに静注し免疫寛容を移入できるかどうかを検討する。移入できるならばそれは実行組織での免疫寛容の作用機序がT cell anergyではなくactive suppressionであることを示唆する。また、免疫寛容の移入の可否が抗原の投与量により異なることが予想される。
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