2003 Fiscal Year Annual Research Report
積極的NKT細胞活性化による自己免疫性ぶどう膜炎の抑制
Project/Area Number |
14770939
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
南場 研一 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70333599)
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Keywords | 実験的自己免疫性網膜ぶどう膜炎 / NKT細胞 / aGalCel / OCH / CD1 / Ja281 / EAU |
Research Abstract |
NKT細胞は免疫反応の要所に活躍する細胞で、自己免疫疾患の抑制へ関わりが示唆されている。今回我々は、自己免疫性ぶどう膜炎の発症への関与を明らかにするため、マウス実験的自己免疫性網膜ぶどう膜炎(EAU)においてNKT細胞の役割について検討した。 CD1ノックアウト(CD1KO)マウス、Ja281ノックアウト(JaKO)マウスはいずれもNKT細胞の機能が失われたマウスである。C57BL/6(ワイルドタイプ)とCD1KOマウス、JaKOマウスをヒト視細胞間結合レチノイド蛋白ペプチドで免疫してEAUを惹起したところ、ワイルドタイプに比べて、CD1KOマウス、JaKOマウスいずれにおいても優位にEAUの重症化がみられた。また、NKT細胞を活性化させるリガンドとして知られるalpha-garactoceramide(aGalCel),またはaGalCel由来のNKT細胞を選択的にTh2タイプへ活性化させる合成糖脂質(OCH)を投与することによるワイルドタイプのEAUの抑制について検討した。ところがaGalCelの投与、OCHの投与を行ってもEAUの抑制はみられなかった。 以上のことから、NKT細胞はEAUの発症抑制に関与していると考えられるが、NKT細胞を積極的に刺激活性化しても自己免疫疾患であるEAUの抑制はできないことが示唆される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kitaichi N: "Increase of KL-6 in sera of uveitis patients with sarcoidosis."Graefes Arch Glin Exp Ophthalmol.. 241. 879-883 (2003)
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[Publications] Kotake S: "The change of clinical manifestations of patients with Behcet's disease in Japan."Adv Exp Med Biol.. 528. 83-84 (2003)
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[Publications] Namba K: "Induction of regulatory T cells by the immunomodulating cytokines alpha-melanocyte-stimulating hormone and transforming growth factor-beta2."J Leukoc Biol.. 72. 946-952 (2002)
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[Publications] 南場研一: "ベーチェット病の最近の進歩-ベーチェット病研究の動向"臨床眼科. 57. 1324-1326 (2003)
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[Publications] 南場研一: "レギュラトリーT細胞によるブドウ膜炎治療の可能性"臨床眼科. 56. 937-942 (2002)
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[Publications] 大野重昭(編集): "NEW MOOK眼科4眼の自己免疫疾患"金原出版. 187 (2003)